La fête d'Halloween #30A | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初から→#1A
前回のお話→#29A


〈Side-A〉




翔ちゃんが、

すごくすごく優しい瞳(め)をしておれを見るから

恥ずかしくなって、

誤魔化すように

翔ちゃんの首に手を絡めて引き寄せた。



再び唇が重なって、

少しずつ角度を変えながら

その度に少しずつ深く・・・


翔ちゃんがおれの口内で

密度を増していく。



勝手に思い込んで

勝手にオチてたのはおれの方なのに


責めも咎めもしないで

おれが安心するようにと

ゆっくり時間をかけて愛情を注いでくれるのが伝わってくる・・・



でもゴメン翔ちゃん、

おれせっかちだからさ・・・




「・・・もっとっ・・・

しょぉちゃ・・・早く・・・っ、

もっと触 って・・・?」




焦らすような翔ちゃんの手がもどかしくて

この脚を

翔ちゃんの腰 に絡 めて

引き寄せた。




「はは、どうした? 雅紀・・・

慌てんなって、」




翔ちゃんの眉が下がる。



その余裕を奪ってやりたくて

翔ちゃんのベルトに手を掛けた。



カチャ・・・



自分が立てた金属音に心拍数が上がる。



ベルトの先をループから抜いて、

ホールからはずそうとして手こずってたら、

クイって眉尻を上げた翔ちゃんが

おれの手から奪うようにして力強く引き抜いた。




「ぁ・・・、」




スイッチの入った翔ちゃんが

熱いキモチを隠さず ぶつけてくるから



おれは

あっという間に

翔ちゃんの熱の波に

のまれて溺れていく・・・




「・・・んっ、」




首筋から上がってきた食べられちゃいそうなキスが耳へ回って

思わず啼声(コエ)が漏れると、

翔ちゃんの両手の掌がおれの顔を包み込んで



啼声(コエ)も

息も・・・



眉を顰(ひそ)めた翔ちゃんに

奪われていった。