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最初から #1
前回のお話 #43
#44 Side-A
・・・チュ、
「とりあえず、行こ?」
翔ちゃんに促されてリビングへ行くと、
ソファーに座らされた。
「ハイ、風呂溜まるまで・・・、
雅紀俺が車だからって飲まないで我慢してたろ?」
「あ・・・」
翔ちゃんに冷えた缶ビールを手渡される。
「あ、それか風呂出てからにする?」
「あっ、ううん、もらうよ、ありがとう・・・」
翔ちゃんが・・・、
おれが飲んでなかったのに気付いてて驚いたのと同時に、
なんだか嬉しいような、
気まずいような、
変な気持ち。
プシュ、
プシュッ、
独特な心踊る音を立てて2つの缶が小さく靄を生む。
「お疲れ、」
翔ちゃんが缶を上から持って
底の部分をおれの缶に軽く当てる。
「あ、おつかれ、いただきまぁす、」
一口ゴクリと飲み込むと、
翔ちゃんに覗き込まれた。
「で、なんで泣いちゃったの?」