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最初から #1
前回のお話 #38
#39 Side-S
マンション近くになり、最後の信号で右側を見ると
雅紀が薄く唇を開いてドア側へ頭を預けていた。
胸の内側が温かくなり、
右手の人差し指でスッと顎から耳の方へと撫で上げてみる。
くすぐったかったのか、少し肩を竦(すく)めると
唇の端を僅かに上げて開いていた唇が閉じられた。
・・・信号はまだ変わらない。
肌の余韻の残る指を、今度はその唇へ添えてみる。
「・・・ん、」
目を閉じたまま
雅紀の左手が俺の手を捉え、
チュ、っと軽く俺の手にキスをして
頬擦りするように手と頬で俺の手を挟み込んで、
こちらを向くような体勢に居直って
また堕ちていく・・・
「フッ、安心し過ぎだろ。」
嬉しいような・・・、
もうちょっと緊張感持たねェのかな、
っていうような複雑な想いで・・・
でも・・・、
結局右手を雅紀に預けたまま運転をする俺も・・・
「甘やかし過ぎだろ。ふははっ、」
シアワセな独り言に浸りながら、
マンションの地下駐へと車を沈めた。
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