SASS the movie novelized Ⅶ #6 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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櫻葉 Short Story the Movie
Episode Seven
Novelized Ver. Edited 2015
 

Ⅶ #1
前回のお話 #5

SASS*Ⅶ ~Side N~ #6




「翔さん・・・
本当にそう思ってるんですか?

・・・だったらさっきの悲しそうな目はなんなんですか!」
 


「・・・。」


 
「あの人・・・!
放っておいたらきっとまた無茶な飲み方しますよ・・・?!

あの人・・・純粋だから・・・

きっと貴方じゃなくて自分を責めて泣いてる・・・! 




本当にいいんですか?!

翔さんっ!!」
 



バタン・・・



二宮の叫びを残し、閉ざされるドア。
 



「・・・。そう・・・ですか・・・。


・・・分かりましたよ・・・


・・・後悔しないでくださいね・・・?」



 
二宮は深くため息をつくと、
深い哀しみの瞳(め)に強い使命感を宿し


メッセンジャーバッグを掴み背負いながら走り出す。



長い廊下、
先を歩いていた櫻井を追い越して階下へ向かいながら応答のない相葉の携帯に電話をかけ続ける。


 

・・・ニノ・・・雅紀(あいつ)を頼む・・・



 
櫻井が・・・
追いかけることが赦されない自分の立場に張り裂けそうな胸を抱えながら
二宮の後姿を見送っていた。
 



二宮は階下へ着くと、自転車に飛び乗り相葉のマンションへと向かう。

ハンドルの取れかかったベルに
相葉がフザケて(しかも間違えて)『二官号』とマジックで書いたマスキングテープが、もう半年も貼ったままになっていた。



『なんだよお前、それじゃニノミヤじゃなくてニカンじゃねぇかよ!ふざけんなよマジで!』


『くふふふっ!まあいいじゃん!ミカンみたいで美味しそうだよ?くふふふふっ!』


『バカじゃねぇの?もはや名前じゃねぇし!なんなんだよミカンって関係ねぇよもうこれだからバカは怖ぇよ!』



・・・その相葉らしい文字を見つめては
そんな他愛のないじゃれ合いを思い出し、胸が疼き、ペダルを踏み込む脚に想いが募る。



見慣れた相葉のマンション、
エントランスからインターホンを鳴らすが出る様子がない。
 



「くっそ・・・!

・・・こだよ、相バカ・・・!!」