SASS the movie novelized Ⅶ #5 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

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櫻葉 Short Story the Movie
Episode Seven
Novelized Ver. Edited 2015
 

Ⅶ #1
前回のお話 #4

SASS*Ⅶ ~Side N~ #5




『あの人の事泣かさないでくださいってお願いしましたよね?』




ズキン、と二宮の言葉が鋭利な刃となって櫻井の胸に突き刺さる。
 



「・・・聞いてたのか?」




分かってる・・・
泣かしたくなどないのは誰よりも・・・

自分が一番願っていたことなのに・・・
 



「入ろうとしたら聞こえたんですよ・・・」
 


「・・・・・。」
 


「・・・いいんですか、追いかけなくて。」
 


「・・・いいんだよ・・・これで・・・。

あいつ・・・感情抑えられなくなって
あからさまに顔に出ちまって・・・」

 

「あからさま?
それは翔さんが気にしてたからでしょ?
あの人、頑張って抑えてましたよ・・・?」
 


「・・・でもこのままじゃ・・・

いずれ勘のいいやつには気付かれるし
色んなところに迷惑をかけることになる・・・

だったら今のうちに・・・

離れた方が・・・

いいんだよ・・・」


 
「・・・誰のため? 
周りの目ですか・・・? 

それをフォローするのも翔さんの務めなんじゃないんですか?
相葉さんの気持ちは・・・?

どうでもいいの?
翔さんの気持ちは・・・?」


 
「・・・ってるよ・・・、分かってんだよ!
そんなことくらい・・・

でも・・・


仕方ない、だろ・・・



・・・あいつだって大人だ。
頭冷やせば分かるだろ。

・・・それに今の俺には・・・
悪ィけどあいつの勝手な思い込みに付き合ってる余裕はねェんだよ・・・


自分の管理くらい自分でできるだろ。
・・・このまま甘やかしてもあいつのためにならない。


・・・仕事に・・・
ミスは、赦されない。」
 



櫻井は、まるで
自分に言い聞かせるように
苦しげにそう言うと

新聞を折りたたみ、
単行本、ニュースの原稿、台本、資料などをバッグに詰め込んで
出て行こうと立ち上がった。