ゥーーーワ、このヒト初対面なのにすげェな、ちょ、そんな迫って来んなって。
とは言っても、ムゲに断るのも彼女を傷つけて恥をかかせちゃいそうだし、
かといってキスとか・・・無理でしょ。
ゥーーーワ、どうしよ、おれコレ絶体絶命じゃね?
チュ・・・
彼女の唇が、顔をそむけたおれの左の口の端と頬の微妙なところに触れる。
「いや、やっぱりさ・・・」
さらに迫ってこようとする彼女の肩を両手でグッと押し返した時、通路のトイレ側から声がした。
「あーれ?おっかしいな、アイバくんトイレじゃなかったのかなぁー?」
・・・ショウくんの、声だった・・・
あ!そうださっき『時間差でトイレ行く』って・・・
「あ・・・、今のナイショね!メッセするから❤︎」
そう言って彼女はそそくさと電話ブースから出て行った。
後ろ姿を見送る形で・・・
出入り口に視線を流してたら
ショウくんが
入ってきた・・・。
「お前こんなとこでナニやってんの?」
ドクン、
「え・・・、あ、」
・・・ショウくん・・・?
なんか、ショウくん、恐いオーラなんですけど。
「・・・今のってさ・・・」
「ぁ・・・えと、連絡先、聞かれて・・・」
「・・・教えたの?」
ドクン、ドクン、ドクン、
な、なんか怒ってる・・・?
下からすくい上げるような目で見られて背中がゾクリとして
心臓が嫌な鼓動を打ち始める。
![{AC3B147D-E176-4582-A0F0-13388ACC9956:01}](https://stat.ameba.jp/user_images/20150408/09/sasick/46/e4/j/o0462039113269983238.jpg?caw=800)
ドクン、ドクン、ドクン、
「断ろうとしたんだけど・・・、」
「・・・でも教えたんだ?
・・・で?
・・・ついでにキスの実践?」
ドクン・・・!
「・・・どうだった?
成果はあったの?」
・・・見られた?!
見られてたの?!
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、
心臓が急激に早まる。
ザワザワとイヤな感覚が耳の後ろから頬の方へ流れてくる。
あぁ、どうしよう、
ショウくんに何て言えばいい?
どう言えば誤解されずに伝えられる?
胸がザワザワして頭が回んないよ