「彼が相葉くん。今日はよろしく頼むよ。
店に先に集まってるメンズにマサキを紹介する。
メンズはみんな知り合いで、俺のレポはチェックしてくれてるからディスコスターのアイバくんの事も知ってて、『スゲぇホンモノ!』とか言いながら握手してる。
マサキも緊張気味ではあるけど、アユミにも『引っ張り出しちゃってゴメンね』とか『恨むならサクショウ恨んで』とかいじられてニコニコしてるし、大丈夫そうで俺もホッとした。
女子が来る前に先に席に通されてマサキと横並びに座る。
メニューを広げる間も無く女子が来て、テーブル向かいへと流れて来た。
見かけた顔だけど・・・挨拶程度しか絡みがない奴らばっかり。
とりあえず様子でも見るかと、乾杯した後、メニューをマサキと見てる素振りをしながら向かいに座った2人の出方とマサキの様子を伺う。
「あのぉ、この前、櫻井さんが取材したディスコスターの方ですよね?」
「櫻井さんとプライベートでお友達なんですか?」
「あ・・・、ハイ・・・スミマセン。」
ふふ。
マサキ謝っちゃったよ。
やっぱ全員初めましてじゃ肩身狭いよな・・・
視線を感じて左を見ると不安そうな表情(カオ)のマサキと目が合った。
(大丈夫だよ、)
と微笑んでから、
ごめんなって気持ちと、頑張れ、って気持ちで
テーブルの下、床についてるマサキの右手に左手をそっと重ねながら前を見る。
(や、カワイイ!)
(ね!カワイイ、照れてる!)
・・・聞こえてンだよ。
可愛いなんて俺はとっくに知ってるっつーの。
照れてンじゃなくて困ってンだっつーの。
可愛いだけじゃなくてすげェ唆(そそ)る表情(カオ)も持ってんだっつーの。
「君らはディスコよりクラブ世代?」
俺がマサキから話題を逸らせたかったのと、マサキが困ってるから助けたかったのとで、彼女らに話を振る。
案の定、ギョーカイの女子らしく自分の知識を披露しながらファッションの話に夢中になったのを見て、マサキに向かってウインクをする。