2024年1月から3月のGDPが年率マイナス2.0%となりました。
日経新聞では、景気回復、足取り鈍くという見出しが1面トップ記事でした。
でも、よく読むと「実質GDP」です。
政府はこの件は織り込み済みなので、4月に住民税均等割りのみ所帯に対して
10万円の助成金を出しています。
円安になると国内の相対的生産競争力があがり、内需が拡大しますので、
名目GDPは上昇します。
実際に名目GDP5.3%増の597兆円と最高水準になっています。
人間は、瞬時に原価計算できませんので、名目の金額で判断するしかありません。
1,000円しか持ってない人が、1,020円になったら、数量を減らすか
買い控えるかするしかありません。
500円だったハンバーガーが「コストが20%上がったので、510円に
実質値下げしました。」とは行かないのと同じです。
輸出が伸びないというのが問題という指摘もありますが、
円安歩調が速いので、輸出用の供給が間に合っていないのが現状なんです。
連休時の1ドル160円を付けた時に
150円近辺で5月15日ごろに収まると予測しましたが、現在は155円程度で
落ち着いているので、概ね当たりました。
私の予想よりも日銀は円安に誘導したいみたいです。
今回の円安は、アメリカのインフレによるJカーブ現象です。
ちょうど1年前の2023年5月17日が1ドル136円
2年前の2022年5月17日が1ドル129円なので、
160円 − 129円 = 31円
31円 ÷ 129円 = 24% もドルは円に対して上昇しています。
Jカーブ現象は2年から3年続くのが一般的なので、
この円安は、概ね120円くらいから始まっていますので、
120円 × 24% ×1.5 = 43円
120円 + 43円 = 163円
財務省及び日銀の予想レンジは、2025年5月までに163円程度と予測
しているはずです。
そうすると現在の適正値は、120円 + 31円 = 151円なので、
日銀と外務省は、160円の時にドルを売って円を151円で買い戻しています。
ぴったっりですよね。
私は証券アナリストの資格を持っていますが、
相場は人間の心理状態を現すものなので、
そんに難しい係数などは必要ないんです。
どちらにしても、トランプが大統領になろうがなるまいが、
アメリカ経済は、ドル高で製造業は壊滅状態のはずです。
来年の早い段階で、日本のゼロ金利政策に文句を言うはずです。
そうすると、アメリカの金利上昇前の
1ドル125円前後まで円高になります。
実際にテスラやアップルも販売数は伸び悩んでいるはずです。
ただ、インフレなので名目では景気が良いはずです。
1989年に日本経済が失われた30年になると予測していたひとは、
「ユダヤ資本が日本をたたく」とか言っていた陰謀論者だけです。
(でも、実際に当たってしまいました。)
私は、立憲民主党の議員ですが、元証券アナリストなので、
正直に言いますが、岸田政権の経済政策はまちがっていないのです。
残念ながら、国民経済が回復するのは、「正しい経済政策」ではなく、
「信頼される政府」なんです。
裏金問題の根本は、政治資金パーティーや企業団体献金の廃止も大きな要因ですが、
統一教会や桜を観る会などに使われていたのではないか、
大手マスコミを買収したのではないかという疑問に正直に
説明することなのではないのでしょうか。