366 「ゼログラビティ」 原題は、グラビティ | ササポンのブログ

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この映画はヒットしたことで、
僕は、日本人を見直した。
なんだか、偉そうな書き方だが、
経済を持ち直しただけで、
その政権を支持してしまう
日本人を
軽蔑していたので。

この映画、
まず見てもらえればいい。
見た人で、
つまらないという人はまずいないだろう。

友達に「どうだった?」と聞かれて
「全然、つまんない」というやつは、
まず
いないだろう。

最近、
その手の大衆娯楽としての映画が、
ほとんど
アニメになってしまった。
別に
娯楽としてのアニメは否定しない。
それどころか、
いまの日本映画の才能の宝庫はアニメ業界。
巨匠といえる映画監督は、
高畑勲だけだと思っている。

でも、
やっぱり娯楽実写映画を見たい。
僕らの世代は特に・・






実は、
この映画と「かぐや姫の物語」には
共通点があります。

物語に、重きが置かれていない点です。

かぐや姫のほうは、
だれもが知っている物語。
それをどう見せるかの勝負。

そして、
この映画は、
事故で、宇宙空間に投げ出された人間が
どうなったか?

もう
物語もない、
設定だけだ。

そして
これらの映画のもう一つの共通点。

ふたりの監督は、
どう見せるかを考えだすために
8年もの歳月をかけた。



まずもって
どう撮ったのかわからない

そして
途中からは
そんなことはどうでもよくなる

ただ息苦しく、
緊張する。

そんな雰囲気のなかで、
孤軍奮闘のサンドラブロック

このキャスティングこそが、
この映画のかなめだろう。

強靭さと、
誰もが自分の娘のように思う
親近感
さらには
知的でもある。

それは
ジョージクルーニーも同様。

ふたりの
軽さと
知性がとてもほほえましくたくましい。



この映画の原題は、
GRAVITY

もしかしたら
配給会社の人のなかに
Perfumeのファンがいて
同名のタイトル曲名をつけたかったのかもしれない

でも
どちらにしてもそれが蛇足であることは
この映画を見た人なら、
ラストで実感するだろう。

僕は
これほど見事な
タイトルの出し方を見たことがない

ただ
唯一の欠点というか、
しかたがないなと思うのは、
あまりにも音楽を大げさに鳴らしすぎること
ただ
音楽を鳴らさないと
娯楽ではなく
アート映画になってしまう危険性がある

いくらでもそうできたし
アート映画としても
通用したが
あえて
娯楽としてえげつないほど
音楽を鳴らしたのも
充分、納得できる