230 「暗黒街の顔役」(喜八版) 粋とはこれ、センスとはこれ、そして意味のない三船!! | ササポンのブログ

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アメリカ版「暗黒街の顔役」と物語的には、
なんの繋がりもない・・と思う。(オリジナルに関して記憶があいまいなので・・)

喜八版、暗黒街シリーズ。

とにかく
キザというか
気取っている。

それらの言葉が
褒め言葉になる映画。

キザって、キザッてキザりまくって
気取りまくる。

とにかく
リアリティなんか
かけらもない。

ぼんやりと映画館に座って
「はわああ、かっこいいわあ・・」と
思っているうちに終わる。

見事なプログラムピクチャー

もちろん
途中で、トイレに立っても、
話はしっかりわかります。

単純ですから・・。




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とりあえず
この映画、やたらに股間越しの、カットが多い。

男たちが足を開いて立っている、
間から
向こう側の人間が見える。

裕次郎の足の長さを強調するために
乱発されたカメラアングルを
臆面もなく踏襲する。

見事なB級魂。

つまりは
日活で粗雑乱造された無国籍アクションを
やっているわけだが
センスの鋭さが
全然、
違う。

平田昭彦と鶴田浩二が
外国人の経営する
カジノに殴りこみをかける。

そこで
ジャッキーばりの
椅子投げを披露しながら
大暴れ!!

敵を全員、
叩きのめした後に
巨大なルーレット台を盛大に
ひっくり返そうとするが
重くて、出来ない。

何度も持ちあげるがだめ。

近くで
やられて伸びている敵に言う。
「お前ら、手伝え!!」

かくして
無事にテーブルはひっくり返る。

その格好つけと
ユーモアーのセンスがとても気持ちがいい。



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とりあえず
この映画
なにがいいかって
鶴田浩二が
はちゃめちゃ、かっこいい。

着流しで
どちらかといえば
演歌のイメージが強いひとは
この映画を、
一連の暗黒街シリーズなどをみると
驚くかもしれない。

とにかく
かっこいい。
もう
それだけである。

さらに
三船敏郎が笑える。

喜八映画における
三船敏郎は、本当に楽しい。

まじめなものもあるが
脇として使うときは
あきらかに
脇であり
あまり意味がない役が多い。

この映画でも、
町工場の社長だが
終始情けないし、あまり物語に絡まない、
ある意味、どうでもいい役だ。

ところが
三船は、嬉々としてやっている。

これが
喜八映画の素敵なところだ。



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もちろん
喜八組といわれた
常連俳優も顔を揃える。


平田昭彦、
ミッキーカーティス

そして
佐藤充

このひとの顔を
本当に日本人離れしている。

このひとの顔って
いまのほうが
人気出るかもしれないなあ。
明らかに
正統派の美男ではないけど
ほんとかっこいい。

喜八監督自身も
かなり日本人離れした顔しているせいか
常連の俳優も
かなり強烈なひとばかりだ。

喜八監督が
自分の分身とまで言った
寺田農といい
この佐藤充といい

特徴的なのは
その骸骨顔だ。

まあ、
その辺のところは
「肉弾」でまた書きます。

あと
喜八映画の特徴の
速いカット割りも大活躍。

とにかく
スカスカ、コンコンと
物語が進む。

この辺が
無国籍といいながら
極めて
トロトロと日本的に
進む日活活劇とは違う。

とりあえず
レトロとか
昭和モダンとか
そういうのが好きな人は

そして
なによりも
イキでかっこいい野郎どもが好きなら、
喜八の暗黒街シリーズを見なさい。
絶対に見なさい。
見なくてはだめです。
とにかく
見るのよ!!
おすぎでした!!


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