ハリウッド映画はいつの間にカンフー映画をマスターしたのだろう?!
先述の『ドラゴン・キングダム』が予想外の出来だった事にも驚いたが、
この『カンフー・パンダ』・・・
凄い・・・
完璧・・・
生粋のアニメ嫌いの方以外はぜひとも観て欲しい。
私も、偏見により危うく見逃すところでした。
だって、アニメでカンフーやっちゃったらなんでもありじゃん。
それは、カンフー映画でCGやワイヤー使っちゃうのと同じくらい、
いやそれをはるかに超える反則じゃん!
と、カンフーを肉体を駆使するダンスとして愛するMとしては、
納得のいかなかったこの企画・・・
なぜ観に行ったかというと・・・『子供がせがんだから・・・』
しかも娘の友人3人加え、4人の小学生を引率。
したがって、日本語吹替え版。。。
でも安心してください。
今回の吹替えはOK!(-^□^-)でした~!
主役のパンダのTOKIO山口君はJack Blackを意識しすぎず、
気負うことなく自分の守備範囲で良い結果を出していたし、
・・・まあ、・・・???な人もいらっしゃいましたが、
自由劇場時代からの大ファン、笹野さんが最高に良かったし、
脇を固める大御所声優陣が素晴らしかった!
泣く泣く吹替えで観た『イン○ィ・ジョー○ズ』に比べると月とすっぽん!
思い出すにつけ、悔しさが甦る・・・
どうして誰も彼もが同じ声に聞こえるんじゃああああああ!!!!
話しが横道にそれましたが・・・『カンフー・パンダ』
先ず、脚本が良い!満点!
基本的には、弱かった主人公が良きマスターの指導のもと強くなる。
というカンフー映画の王道すぎる筋立て。
そこにどれだけオリジナリティーや色を付けられるか、
というのが脚本家の腕の見せ所。
何かと比べて申し訳ないですが、似ているのでまた『ドラゴン・キングダム』を例に出すと、
あの映画でもの足りなかった点が全てクリアされている。
まず、主役が選ばれた人物であることの必然性。
選ばれたときには全くの偶然に思えるというのがまた王道であるが、
観終わったあとには、ああ、やっぱり彼でなければならなかったんだ。
という必然性が観客の心に染み入らなければダメ。
選ばれた人は最初は弱い存在であるが、徐々に強くなっていく。
ドラゴン・キングダムはその訓練課程が説得力なかった・・・
ジャッキーの蛇拳や酔拳みたいに、あそこまで鍛えられれば強くなるよね、
的な仕掛けが少なすぎた。
今回のパンダはこの点に関する発想が一番素晴らしい!
何故、ダメダメパンダは強くなれたのか!!!
このアイディアを思いついたとき、スタッフは成功を確信したにちがいない!
『なるほど、こう来たか~!!』
思わず笑ってしまう、ちょっぴり馬鹿馬鹿しいが潔い強さの秘密がここにあった!
各登場人物の掘り下げ方がExcellent!!。
大人が見ても納得の深い人物設定。
主要な人物の過去が筋を追うにつれ上手に語られていく。
人物設定が言葉で説明されることなく、時に映像や語られる台詞で
自然と理解されるような作り!
特に、マスター・タイガーの過去を説明する箇所。
上手い!!!
説明台詞連発の日本の映画、見習って欲しいものです。
真面目で感動的なテーマと、映像を使ったギャグのバランスが非常に良い。
パンダのボヨボヨ感を目いっぱい活かした動きなど、
素晴らしいアニメーションの動き自体で笑える箇所がたくさん。
そして、随所に散りばめられた、深い『言葉』の数々。
文字通り、笑って、泣きました。
ここから先はネタバレなので、見ていない方は読まないでね。
一番感動した亀賢人の言葉です。
「昨日という日は歴史であり、明日という日は未知のもの、今日という日は儲けもの」
うーーーん、、、深いね。