31 「リオブラボー」  素人の助けはいらないよ | ササポンのブログ

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おしゃれなニューヨークのブティックなどを紹介したブログを読んだ後に、ビールなど飲みながら、ゴダールの「軽蔑」でも観て、寝ようかと思っていた貴方の予定は、このブログを読んだ後に、完全に変更されるであろう。
お待たせしました。
誰も待ってないよ。
「リオブラボー」であります。


どこから、どういうふうに紹介しても、おもしろい。
こういう映画というのは、書きにくい。
20回観ても、まだ観たい映画の一本であります。
昔は、年に3回は洋画劇場で放映されて、
そのたびに観初めて最後まで、観てしまう。
不朽の名作でありながら
歌ありアクションあり、ちょっとお色気ありの
サービスというものを知り尽くしたひとたちの
本気の大衆映画であります


いまさら書くのも面倒くさいけど
監督はハワードホークス
出演は、ジョンウェイン、ディーンマーティン、リッキーネルソン、ウォルターブレナン。
やはり僕の専門であるところの脚本で攻めますか。
脚本を書いたのは、「三つ数えろ」「脱出」のジュールス・ファースマン。
そして、「ロンググッドバイ」「ハタリ!」そして「スターウォーズ」シリーズ最高傑作の「帝国の逆襲」を書いたリーブラケット女史。


その構成の巧みさは、
職人芸であります。
人を殺したジョーという男を逮捕し、牢獄にぶち込む。ジョーの兄ネイサンは手下を集め、釈放を求めてチャンス、つまりジョンウェインを脅迫する。
しかし、そんなことでびびる、ジョンウェインではない。
保安官事務所に立てこもった。
ジョンウェイン主演のホークス映画には、ひとつの特徴がある。
ジョンウェインを主役にしているかぎり
彼が勝つことは、もう約束済みである。
しかし、それでは観客にハラハラドキドキを与えられない。
だから、
ホークス映画では、
ジョンウェインにハンデを与える。
「赤い河」では、
ラストの対決の前に、彼は撃たれていた。
そして、この映画では


女に捨てられてアル中になったディーンマーティンと


ビッコで老人のウォルターブレナンだ。

このふたりのハンデを抱えた男たちを、抱えることで
物語にサスペンスが出るし
人間的にも厚みが出る。



そしてもうひとり、演技はへただが、
歌はうまい。
当たり前だよ、僕は歌手だぜ・・リッキーマーティン・・いや違ったリッキーネルソン




西部劇として王道のストーリーに、
これらの人間的なハンディーが物語を奥深くする。
ふたりの職人脚本家の巧みの技。
いいねえ・・。






もちろん華麗なガンプレイも見逃せない
特に有名なこのシーン。
言葉はいらねえや


このコラムのタイトルに書いた
「素人の助けはいらないよ」
というのは、この映画のセリフだが、
これには監督が込めた、ある思いがある。
と、いうか、怒りだ。

ホークス監督、この映画の前に話題になった、ある映画が大嫌いだった。


御存じ、フレッドジンネマン監督「真昼の決闘」ハイヌーンだ。

どんなところが嫌いだったかといえば、
プロであるべき保安官が
素人である住民たちに
助けを求めたところが
たまらなく嫌いだったらしい。

だから助力を申し出たひとに、
ジョンウェインがこういったのだ。
「素人の助けはいらないよ」


そろそろ御託は、この辺にして、本日のメインイベントといこう。
これがあるから、
みんな今夜は、この映画を見なくては眠れなくなると言ったのだ。

さあ、聞いてもらおうか。



なに、まだ貴方は観る気にならない?
じゃ、とどめだ




そしてダメ押しのサービスカット



今回はもう自画自賛の
お腹いっぱいのブログだなあ。