最近、どうも僕の、映画評がおもろくない。
熱意が感じられない。
どうも愛がない。
と、いうわけで、ここらでかなり思い入れの激しく映画で愛を回復、リターン・ツゥ・ラブしようではないか。
かっちょいいポスターであります。
かっちょいい映画であります。
さて、出演者の写真を並べるぞ
レオン・カーファイ
マギーチャン
ブリジット・リン!!
ジャッキー・チュン!!!
レスリー・チャン
そしてええっ
トニー・レオン
なんで、カリーナラウとチャーリーヤンがいないのか。すいません、面倒臭くなったので・・。(それが愛がないというのだ)
もう、すっごい時間をかけて撮影・・というよりは、例のごとく、ウォンさん、もう迷いに迷って脚本が二転三転。
あまりにも長引く撮影に、プロデューサーであり、親友の、ジェフさん、同じスタッフ、キャスト、二週間で「大英雄」というギャグ映画を撮ってしまった。これが大ヒット。
ところが肝心の、この映画が、じぇんじぇん、完成しない。
撮影が終了しても、また例のごとくウォンさん、ぐちゃぐちゃいじる。
そんなこんなしているうちに、なんとウォンさん「恋する惑星」の撮影を開始してしまった。
ええかげんにせえよ・・と誰もがおもっているのも気にしないウォンさん、「恋する惑星」が公開した後に、やっと完成させた。
そういう過程を経て、苦労に苦労を重ねて、完成させたのに、これが見事にヒットしなかった。
金庸という大ベストセラーの原作で、使ったのは、登場人物の名前と、設定だけ。
原作の登場するふたりの老人の若い頃の話だが、物語はしっかりとウォンさん世界。武侠映画というかなり特殊な世界を、描きながらも、相変わらず自分の世界を描き続けるウォンさんの頑固ぶりに、そろそろ香港の人たちは、飽きてきたのかもしれない。
ところが、僕は、この映画が、身震いするほど好きなのですよ。
ぶっちゃけて言ってしまうと、僕はこれ以降のウォンさん映画は、好きではない。
なぜなら、全部、同じだからだ。もう、このひとは、この映画までで、すべてを出し切ってしまった。このひとのは、「いますぐ抱きしめたい」「欲望の翼」「恋する惑星」とこの映画を見れば、充分です。
仏典「旗なびかず 風はなし
揺らぐはひとの心なり」
「人はいつしか私を西毒と呼んだ。猜疑心を抱き続けると、人は邪悪にな性分になりうる。他人の幸せを妬むようになるのだ」
西毒さん、殺し屋の仲買人を商っております。
ひとを殺してでも金が欲しい人と、金を払ってでも殺したいやつがいる人を、紹介するお仕事。
そこにやってくる、色々な、ウォンさん好みのキャラがやってくる。
中でも、盲目の剣士トニーレオンと、ジャッキーチュンがでてくるエピソードが好きだ。
ウォンさん映画では、結構、ひどい目に会ってるチュンさん、この映画ではすげえかっこいい。のちに北の蛮族の首領になる男を演じるチュンさん。貧乏な女の持った卵ひとつのために命をかけて戦い、指を一本失う。
「新しい土地で、名を馳せるんだ。将来9本指の英雄が現れたら、それが俺さ」
かっちょいいい。
このふたりが、この後、戦場で顔を合わせて、にやりと笑うシーンが、短くはいる。
うんっ、この呼吸がウォンさん映画、ほんの一瞬のシーンが痺れるほどかっこいい。
まあ、ブリジットリンが絡む、色恋話はいつも通りのぐちゅぐちゅ、ゆるゆる。あの湖のシーンは、凄いけど、とりたてて関心はない。
とりあえず極めて特異で個性的なウォンさん世界を、武侠映画に押し込めたら、いままで観たことのない、物凄いかっこいい映画ができてしまった。