ササローが選ぶAORの名盤10選 | 笹郎(ササロー)のゆるゆるご当地コラム

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東京都渋谷区笹塚の応援キャラクターの笹郎(ササロー)の
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たまに趣味のやつも。

右斜め+L+R+L+R+L+L+R+R+Aな視点でゆるっと紹介する
ゆるゆるご当地コラム…始まるよぉ!

皆様、おはこんばんにちわ!

ちょいとお久な音楽ネタのお時間がやって参りましたよ~!!!

 

これまで洋楽80's…名盤紹介…HipHopClassic…G-Rap…EuroBeatと

様々なジャンルの音楽記事を書いてきました。

そこに新たに加わるのが…

 

AORで御座います!!!

 

AOR…?

いやいやいや…ちょっと待てよ…AORとはなんぞや!?

と、いう方も多いと思うので、ご説明致しましょう。

 

意味合いとしては実は複数ありまして

1つ目はアダルト・オリエンテッド・ロック(Adult Oriented Rock) 

大人向けの落ち着いたロックという意味で

 

2つ目はアルバム・オリエンテッド・ロック(Album Oriented Rock)

アルバム全体の完成度を重視したロックアルバム

と、いう2つの意味が込められていたりします。

 

それの頭文字をとってAORと呼称しております。

ちなみにこれ和製英語なので海外では通じないという…。

※今ではAlbum Oriented Rockで通じるとか…!?

 

と、言われてもまだピンと来ないという方…。

要するにAORというのは洋楽版シティ・ポップの事です。(ざっくり)

 

元々、ソフト・ロックやライト・メロウ(日本でいうとこのシティ・ポップ)という

ジャンルが海外にありまして、70~80年代で密かなブームになり

知る人ぞ知る、人気のあるカテゴリの音楽でしたが

平成に入ると、LP盤しかなかった希少なそれらの名盤が

日本で初CD化、リマスター、リイシューされ、再度そのジャンルが盛り上がり

いつの間にかそれらの音楽をAORと呼ぶようになったとか。

ここらへんの起源、曖昧で謎なんですよね…。

 

そして、数年後に海外で起きた日本のシティ・ポップブームにより

80年代の名盤が評価が爆上がりし、その気運が高まり

日本でも海外のソフト・ロック/ライト・メロウも見直されるという結果に。
そんなこんなでAORというジャンルも広く知れ渡ったとか。渡らなかったとか。

 

長くなりましたが…。

そんなメジャーになりつつあるAORを

ササロー目線で、これぞ!と思うものを紹介して行きたいと思いますよ!!!

もうね、早速行っちゃおう!!!どうぞ!!!

 

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Evening Scandal

Bobby Caldwell (1978)

 

 

 

ボビー・コールドウェルの1st。

 

”【検索】AOR 名盤”で検索すると、一番出てくる一枚。

最も検索に引っ掛かるアルバムが大体、名盤率高いですね。

それだけ、誰もが高い評価をしているという証拠。

…そのうちこのコラムも、検索で引っ掛かる事を願いたい。

 

卓越した歌唱力と夜の都会を彷彿とさせるメロディが合わさった大名盤。

アルバム・オリエンテッド・ロックと言われるだけあり

収録されている全ての曲が一貫した世界観を感じられ

最後まで飽きる事なく聴く事が出来る。

艶のあるボビー・コールドウェルの歌声。THE・シティ・ポップなメロディ。

上質で気品を備えた本物のアーバン・メロウを是非、耳で感じて欲しい。

 

この音が気に入ったのならば Carry On や Heart Of Mine もオススメだ。

 

名盤なので、割と安値で買える。

買うのならば是非、HQCD盤で!

 

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Never Turnin' Back

Bruce Hibbard (1980)

 

 

 

ブルース・ヒバードの2nd。

 

この10枚の中で群を抜いて爽やかな傑作アルバム。

CCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)関連の1枚でもある。

CCMに関しては説明をすると長くなるので割愛。

 

聴くとジャケット通りに晴れた日にオープンカーで走っているかのような

爽快感を感じつつ、晴れ晴れとした気持ちになれる。

もう、聴くミントタブレットと言ってもいいくらいの清々しい一枚だ。

 

ブルース・ヒバードの優しくも甘い声の心地よさと

風の匂いがする自由自在に変わる極上のメロディが秀逸。

また甘々な曲からメロウな曲まで多種多様で曲の彩り具合も完璧。


40分ちょいのアルバムだが、その40分間が

草原で大の字になり、寝っ転がっていたかのような時間…

と、大げさに言ってもいいくらいの素晴らしき出来の一枚なのだ。

 

難点としては廃盤のレア盤の為、入手が困難な事。

CD盤は最低でも3000円クラスだが、それでも安いと思えるくらいのアルバムなので

大枚はたいても後悔はしないだろう。

 

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The Nightfly

Donald Fagen (1982)

 

 

 

ドナルド・フェイゲンの1st。

 

アーバン・メロウの最高峰。

King Of AORと呼んでもいいくらいのAORの象徴的アルバム。

勿論、こちらも”【検索】AOR 名盤”で必ず出てくる。

 

ジャケットから音楽性まで、お洒落度合いが桁違いで

あまりにもハイセンス過ぎて感動を超え、もはや畏怖すら感じる怪作。

 

スティーリー・ダン時代から自分の中で温めていたであろう

珠玉のネタをこのアルバムで解放したような印象を受ける。

もう温め過ぎて、一フレーズごと一音ごとに魂を込めているかのような緻密で繊細な

絵画の様な音になっている。それが全曲その仕様なので恐れ入る。

 

少しドライでジャジーなアーバンど真ん中のメロディを主軸に

達人クラスの奏者達が奏でるギター、ドラム、ベース、全てが

無駄なく完璧な仕事をこなしており、唯一無二の音を作り出している。

その音をバックに流れるように歌うドナルド・フェイゲン…もう何も言う事はない。

 

圧倒的なセンスと技術が詰まった集大成的な一枚。マジでオススメです!

 

通常盤もリマスター盤もめちゃめちゃタマ数豊富なので

この10選では一番簡単に手に入るかも。リマスター盤だけ、少しだけお高め。

 

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Heart Ache

Leslie Smith (1982)

 

 

 

レスリー・スミスの1st。

 

アダルト・オリエンテッド・ロックの意味として相応しい大名盤。

 

実はオリジナル曲は1曲のみで、他はカバー曲が中心というアルバム。

往年の名曲が集まっているので、基本的に全曲ハズレなし。

その中でもAOR界の超名曲 Nothin' You Can Do About It のカバーが入っているのが大きい。

 

元ネタは79年に発表された Manhattan Transfer の Extensions に収録されている

Nothin' You Can Do About It だが、これが原曲と遜色ない驚異的な仕上がりとなっている。

原曲は女性ボーカルも入る、キーの高い歌となっているが

レスリー・スミスも負けず、高い声の持ち主の為、完璧に歌い上げており

それでいて歌唱力も高いので、原曲を凌駕する勢いの仕上がりとなっている。

 

ここには載せてないがAORの名盤 Airplay(邦題:ロマンティック)(1980) のアルバムでも

カバーされるぐらい、ホントの名曲だから聴いて…。

軽快なピアノから始まり、サビ手前のトランペットのエロティックさ。

切ないメロディーからの情熱的なサビ。そして唸るギター。何度聴いても飽きない。

 

Nothin' You Can Do About It の紹介コーナーになる所であった。

 

名曲ばかりだが、その曲が持つ魅力を引き出すのは

彼の持つ、強くもどこか優しさと味わいのある歌声があるからこそ。

 

微妙にマイナー扱いの為、割と格安で紙ジャケのリマスター盤が簡単に手に入ったりする。

買うなら今のうちだ!!!

 

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Tender Leaf

Tender Leaf (1982)

 

 

 

テンダーリーフの1st。

 

ここらで珍しいHawaiian AORを投入してみる。

厳密に言うとハワイアン・フォークというかハワイアン・コンピレーションだが

クラシックでメロウ・グルーヴならばAORにカテゴライズされるのは、この界隈ならでは。

 

再生ボタンを押せば、即座にその空間を南国にさせる傑作。

アコースティックさと伸びやかな音がホント、ハワイアンという感じ。

真夏のビーチを感じさせるコテコテな曲、Coast To Coast が入っていると思いきや

超グルーヴィーな曲、Countryside Beauty も収録されており

温和な感じのアルバムだが、意外と隙の無いかっちりとした仕上がりとなっている。

 

これだけレベルが高いのに実はプロの音楽グループではなく

普通の音楽好きが集まって作った、自主制作アルバムというのが凄過ぎる。

 

当時は自主制作盤という事もあり、鬼レアだったが

今ではリマスターのリイシュー品があるので、探せば2000円弱で意外と買えたりする。

 

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The Riper The Finer

The Joe Chemay Band (1981)

 

 

 

ジョー・シャーメイ・バンドの1st。

 

Hawaiian AORを紹介したので、お次も常夏ジャケの名盤を紹介しよう。

 

実は初CD化される前の元々のLP盤はまさかのアーティスティックな果物ジャケ。

何故このジャケットから、タイトルがL.A.プレゼンツになり常夏ジャケになったかのか。

このアルバムを聴き終わった頃にはそれが理解出来る事だろう。

 

内容としては、ナイトフライがアーバン・メロウの最高峰ならば

こちらはライト・メロウの最高峰と呼べるシロモノ。

 

ハワイアンとはまた違う、マンゴーなどの甘いフルーツの香りがする

フレッシュさとビタミンを感じる音楽性が特徴的で

そこにグルーヴィーさと80年代らしいリバーブがかった音と打ち込みが合流し

最後にギターの小粋な音で泣かせにくる。

 

そんな名盤なのだが実は1曲1曲が短く、全体として30分ちょいの長さ。

だが不思議と物足りなさはなく、時間が短いというのが逆に評価が高くなる。

この短さが、ひと夏の儚さを彷彿とさせるのよね…。

短所のハズが前向きに捉えてしまう。それほどに、このアルバムには世界観があると思う。

 

実はこちらのCD盤は超レア廃盤。この10選の中で一番高価かも。

安くても4000円~5000円クラス。

だが、値段に見合った内容だと思うので気に入った方は探して買ってみてはいかがか。

 

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Another Night

The Wilson Brothers (1979)

 

 

 

ウィルソン・ブラザーズの1st。

 

ドナルド・フェイゲンに続く”【検索】AOR 名盤”で検索すると、よく見かける一枚。

こちらも例に漏れず、古く良き時代の音が詰まった歴史に残る大名盤。

 

Take Me to Your Heaven を筆頭に数々の名曲が収録されつつも

しっとりバラードまで網羅され、お菓子のバラエティパックのような賑やかさがある。

多分、この10選で一番元気なアルバムかもしれない。

 

やはり、若々しくハツラツとしたウィルソン・ブラザーズの歌声が元気の源だと思う。

当時、兄のスティーヴが28歳で弟のケリーが19歳という、このフレッシュな年齢よ。

全編で発揮される声量と歌唱力が物語っている。

 

それらを支える、70年代なのに古く感じさせない音楽性と卓越したギターの音も良い。

ムーディな曲からロックな曲など、メロディの多彩さも評価が高い。

コテコテのAORではなく、ブルー・アイド・ソウル寄りかなと思う。

 

時代に左右されない異次元の一枚。

手元にあると、つい何度も再生してるかも。

 

人気作なので、タマ数もあり、通常版もリマスター盤も格安で簡単に手に入る。

 

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Partners In Crime

Rupert Holmes (1979)

 

 

 

ルパート・ホルムズの5th。

 

この10選の中で一番、歌い手の世界観が色濃く出ているアルバム。

ハマる方はこれしか聴かなくなるタイプの名盤である。

 

こちらはアルバム・オリエンテッド・ロックの意味合いがあまりにもピッタリ過ぎる。

10曲全てが統一した音楽性があり、AORの本質である

トータル的に評価するという事を教えられる、そんな教科書的一枚でもある。

 

発表が79年だがシンセも取り入れられており、当時の音の先駆けを取り入れつつ

AORではあまり見ないユニークなメロディが加わっているのが特徴的。

このユニークな部分がハマるきっかけになる魅力の部分なのかもしれない。

 

曲構成的には、まったりロックから変則的なバラード、泣かせるメロウな曲などの

筋は通りつつも、飽きさせない構成となっている。

そこに優しく問いかける様なルパート・ホルムズの歌声が乗り、完璧な仕上がりに。

 

実はドナルド・フェイゲンのナイトフライ並の全曲名曲。

順位をつけるのならば、この10選では3番目に好きなアルバムかも。

 

ちなみに4thアルバムのPursuit of Happiness(邦題:浪漫)も同様に名盤。

 

地味にレアなので専門店で探さないと意外とないかも。

リマスター盤は更にレア。

 

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Shine

Average White Band (1980)


 

 

アヴェレイジ・ホワイト・バンドの8th。

 

ブルー・アイド・ソウルの神盤。

ブルー・アイド・ファンクという言葉の方が合うかも。

 

6名参加の大所帯グループとなっており

この人数ならではの編み物のように上手く交差する歌声が素晴らしい。

そして、サビ部分がファルセットのように高く

ディスコブームの名残が見え隠れしている感じもまた良い。

 

トラックは80年代らしい打ち込みとグル―ヴィーなジャジーさも備わっており

ディスコ+80'sポップス+ファンクがミックスされつつ

更にインストゥルメンタルの曲も入っていたりとフュージョン要素もあり

てんこ盛りのお祭り騒ぎ状態。

発表されたのが1980年というがポイントなのかな。

70年代~60年代で培われた優れた音楽性を上手い事、この1枚に収めている感がある。

 

この10枚の中では一芸に秀でた…というより、総合優勝な感じの1枚。

AOR初心者も玄人の方も聴いて是非欲しい。

 

近年に9曲のボーナストラックが追加されたリマスター盤が出回っているので買うのなら今。

しかも安い!未開封新品もあるので、マジで買うなら今!

 

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Bill LaBounty

Bill LaBounty (1982)

 

 

 

最後を飾るのはビル・ラバウンティの4th。

”【検索】AOR 名盤”で検索すると、確実に出てくるヤツ。

 

実は著者をAOR沼に落としたきっかけのアルバムだったりする。

 

最初の出会いは何気な~く流していたラジコから。

土曜の朝、作業しながらボンヤリと聴いていると、やけに雰囲気のある

イントロが流れている事に気づき、音量を少し上げ耳を傾け始める。

古風だがジャジーな音と共に渋みのある歌声が次々と流れていき

段々と作業の手が止まり始め、サビの頃には完全にラジコの方を黙って見ていた。

 

元々、HipHopClassicの影響で古めのFunkやSoulに馴染みがあったのと

日本の80年代シティ・ポップを聴いていたというベースがあったので一気に虜になっていた。

 

聴き終えると、速攻でオンエア曲から Livin' It Up という曲である事を特定し

そのままAmazonで、その曲が入っているアルバムを買い

そこからAORというジャンルである事を知り、他のアルバムも聴くようになり

現在に至るという訳だ。

 

やはり今聴いても、全てにおいてカッコいいな…。

卓越した歌唱力とアーバンでソウルフルなメロディーが群を抜いており

大の大人が聴いても“うわ、オトナな音楽だコレ!”と、言いたくなるほど

素人も玄人も圧倒的するほどのアダルトなエレガントさがそこにある。

 

なんやかんやで、最初からハイレベルなアルバムから入っていたという事か。

う~ん、今でもこれが一番…オススメかな。

 

たまたま流れていた曲が一匹の猫の音楽の世界を広げた一枚。

通常盤であれば、割と格安で手に入るかも。

紙ジャケリマスター盤だけはかなりレア。

 

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という事で、如何でしたでしょうか?!!?!?!?!!

 

時代を超えた、オトナな音楽の世界…。

これでもまだ、ほんの一部というのが恐ろしい…。

この記事をきっかけに自分に合う、一枚を探すのも良いかもしれませんね~!

 

では、次回もお楽しみに~!

 

 

 

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※2025年1月加筆修正