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六本松ゼミナール塾長の深川です。
日本の教員は、やはり、世界的に見ても、働き過ぎであることが以下、分かりました。
経済協力開発機構(OECD)は6月25日、加盟34カ国・地域の学校環境や教員労働に関する調査結果を公表しました。
日本が調査に参加したのは初めて。
教員の勤務時間は、日本はなんと週約54時間。
参加国中最長で、特に部活などの指導や事務作業など授業以外の仕事に追われていることが分かりました。
文部科学省は事務の効率化や学校に対する調査依頼の縮減などで負担軽減を図りたいとしていますが、そもそも、教員の数自体が少なすぎるのです。
しかも、ハードワークであることが分かっているので、教員になりたい人が減る中で、倍率だけが高い。
同調査は中等教育の教員が対象で、日本は中学校約200校の校長と教員約3500人が回答しました。
調査結果では、勤務時間は加盟国平均の週38・3時間に対し、日本は53・9時間。
授業とその準備などに費やす時間はほぼ変わらないのですが、事務作業5・5時間(平均2・9時間)と課外活動指導7・7時間(同2・1時間)で大きな差がついています。
つまり、雑務が多過ぎるのです。
現役の中学教師にいろいろ尋ねても、部活の顧問になるのは当然という空気が、どの校内でもあるようで、「みんなでやれば怖くない」じゃなく「みんな、いやでもやるしかない」という雰囲気があるのです。
校外で行う研修への参加率も低く、8割以上が「仕事のスケジュール」を理由に挙げていました。
校内暴力やいじめなど問題を抱える学校は加盟国の中では少ないですが、そのことに対する教員の自己評価が低いことも判明。
「学級の秩序を乱す行動を抑える」「生徒に自信を持たせる」などの指導力に関する調査項目で「よくできている」と回答した割合はいずれも平均より30~70ポイントも少なく、自信のなさが浮き彫りになっています。
校長のリーダーシップに対する自己評価も総じて低いものでした。
授業については、情報通信技術の活用で大きく遅れていて、生徒の習熟度に合わせた課題を取り入れている割合も平均との差が開きました。
きょう(6月27日)付の読売新聞1面コラム「編集手帳」には、夏目漱石『吾輩は猫である』の主人、珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)先生が中学教師で家では、よだれを垂らして居眠りばかりしていて、「猫は思う。〈教師というものは実に楽なものだ。人間と生れたら教師となるに限る。こんなに寝ていて勤まるものなのだから」という部分を紹介していました。
今は、現役教師にすさまじい負担が背負わされているわけで、そもそも、教員の数が不足している根本問題を解決しなければ改善は見込めそうにありません。
しかも、授業以外で多忙であることがワーカホリックである教員の体質をさらに過酷にさせているわけです。文部科学省は根本的な教師の負担軽減策を検討していく必要がありそうです。