六本松ゼミナール塾長の深川です。
15歳の問題解決能力、日本は世界3位――。
経済協力開発機構(OECD)は4月1日、2012年の国際学習到達度調査(PISA)で、解き方がすぐには分からない複雑な問題を、知識や技能を活用して解こうとする「問題解決能力」分野の結果をこのような形で公表しました。
問題解決能力とは、初めて経験することなど、解決方法がすぐには分からないような問題が起きたとき、これまでの知識や技能を生かして解決しようとする力です。
日本は平均得点が552点。テストを受けた44カ国・地域中3位。
首位はシンガポールで、2位は韓国。公表済みの「読解力」「数学的応用力」など3分野で1位を独占した上海は6位でした。
テストはコンピューター方式。
日本では国内181高校の1年生約6300人が参加し、掃除ロボットが動くアニメーションを見て規則性を発見したり、駅の自動券売機の画面を操作して指示通りの切符を買ったりするなど、教科の知識だけでは答えにくい問題が約20問出ました。
日本の場合、成績が著しく低い子供が少ないのが特徴で、423点未満の成績下位層の割合が参加国の中で2番目に少なかった。アジア諸国では、単なる知識の詰め込みではなく、応用力を高めるような教育改革に取り組んできましたが、その成果が出たといえるでしょう。
日本は成績上位層の割合が参加国中3番目に多く、下位層の割合は韓国に次いで少なかったのでこの分野ではそれなりに日本は優秀ということになりそうです。
大半の国では、3分野の中で問題解決能力と最も相関関係が強いのは数学的応用力。次いで科学的応用力、読解力の順になっています。
日本の平均得点は男子561点、女子542点で、OECD平均と同様に男女差が見られました。
問題解決能力の出題は男子が得意な数学的応用力の内容と近いため、男女差が広がったとみられます。
【問題解決能力の上位と平均得点】
順位 国・地域 平均得点
1 シンガポール 562
2 韓国 561
3 日本 552
4 マカオ 540
5 香港 540
6 上海 536
7 台湾 534
8 カナダ 526
9 オーストラリア 523
10 フィンランド 523
※小数点以下は表示せず
【デジタル数学的リテラシーの上位】
順位 国・地域 平均得点
1 シンガポール 566
2 上海 562
3 韓国 553
4 香港 550
5 マカオ 543
6 日本 539
7 台湾 537
8 カナダ 523
9 エストニア 516
10 ベルギー 511
【デジタル読解力の上位と平均点】
順位 国・地域 平均得点
1 シンガポール 567
2 韓国 555
3 香港 550
4 日本 545
5 カナダ 532
6 上海 531
7 エストニア 523
8 オーストラリア 521
9 アイルランド 520
10 台湾 519
【科学的リテラシーの上位と平均点】
順位 国・地域 平均得点
1 上海 580
2 香港 555
3 シンガポール 551
4 日本 547
5 フィンランド 545
6 エストニア 541
7 韓国 538
8 ベトナム 528
9 ポーランド 526
10 カナダ 525
【数学的リテラシーの上位と平均点】
順位 国・地域 平均得点
1 上海 613
2 シンガポール 573
3 香港 561
4 台湾 560
5 韓国 554
6 マカオ 538
7 日本 536
8 リヒテンシュタイン535
9 スイス 531
10 オランダ 523
【読解力の上位と平均点】
順位 国・地域 平均得点
1 上海 570
2 香港 545
3 シンガポール 542
4 日本 538
5 韓国 536
6 フィンランド 524
7 アイルランド 523
8 台湾 523
9 カナダ 523
10 ポーランド 518