塔婆立ての接着 | ささのブログ

ささのブログ

ブログの説明を入力します。

先月納骨を済ませた父の墓、塔婆立てが作られておらず、姉がネットで注文。取りあえず塔婆の置き場所は出来たが、塔婆立ては墓石に乗っけているだけ。義兄によると、盗まれることもあるそうで、早急に接着固定する必要がある。最初、強力な両面テープを貼ったのだが、雨などですぐに剥がれてしまった。やはり、防水の、石材用のボンドが必要だ

 

これまで、木工、金属加工、合成樹脂加工など、大抵の製作作業はやって来たが、石材同士の接着は初めて。それなりに大きいし、がっちりと固定しても外したい時に、土台の墓石が傷つかないようにしたい。幸い、雅楽教室の生徒に、墓石屋の社長が居るので、接着の方法を尋ねた。

四隅に薄いゴム板を貼って、わずかなすき間に墓石用のボンドを充填すればいいとのこと。四隅にゴム板を貼るのは、すき間にカッターを入れて、剥がしやすくするためだそうだ。なるほど、こういう工夫はプロに訊かないとわからなかった。それさえわかれば、充填接着は慣れたもの。石材用のボンドとヘラ、マスキングテープを用意して墓へ。

 

まずは墓石と塔婆立ての接着面を入念に掃除。塔婆立ての底には剥がれかけた両面テープが残っており、これを剥がすのにひと苦労。すっかりきれいにしたら、仮設置してマスキングテープを貼る。仕上がりの美しさはマスキングテープにかかっているので、時間をかけて丁寧に行う。一番大事な底面はボンドを厚く波形に盛り付け、後は墓石と塔婆立てのすき間を埋めるようにボンドをヘラで充填していく。テープからはみ出したボンドは速やかに濡れタオルで拭き取っていく。初日の作業はここまで。

 

翌日、塔婆立てがしっかりと固定されていることを確かめたら、マスキングテープを剥がす。はみ出ていたボンドはテープとともに剥がされ、残るのは石材のすき間を埋めるきれいなライン。素人にしては上手に出来ている。充填の脱落も無くて、これなら雨が降っても中に水が染み込むことは無さそうだ。念のために外しておいた塔婆を差し込んで完成。

 

接地面の墓石と塔婆立ての土台の石が偶然にも全く同じ模様のため、とても付け足し設置したとは見えない。墓石の真後ろに設置したので、塔婆の文字もよく見える。墓から父が、「お前は本当に器用な奴だなぁ」と言っているような気がした。