これからもバンプの唄を口ずさむんだろう | 空堀ホイホイ

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ベロベロバー

Butterflies(通常盤))/BUMP OF CHICKEN



そうとう久しぶりにライブ日記の更新です。

昨夜10年ぶりくらいにバンプ・オブ・チキンのライブに行きました。

それも大阪ドーム。

最後にバンプのライブを見たのは、多分なんばハッチ。

スノースマイルの発売前かな。

当時からバンプのチケットはなかなか入手困難でしたが、何故か見たいと思ったら絶対見れるのでした。

しかしアルバム「ユグドラシル」辺りから流石に無理でした。

自分自身も仕事やらなんやらで、少しバンプ熱も冷めていってたのでしょう。



バンプの唄はいつも鼻歌で口ずさんでいたけど、どこか、遠い存在に感じていきました。

そして震災や原発事故を経て、ますますバンプに関心が薄くなっていってたような気がします。

それでも新譜が出れば必ず聴いていました。


去年の暮れに紅白歌合戦にバンプが初出演すると知って、更にドームツアーも予定されていると知り、久しぶりにバンプに関心が出始めました。

素朴に、「凄いな」と思いました。

いい機会だからそのドーム公演に見に行ければ良いなと漠然と思っていたら、運良く昨夜見ることが出来ました。

で、ライブ前日。

実は今年リリースされた新作はまだ未聴だったので慌てて買いに行きました。

ライブのために予習してるみたいで我ながらにわかロックファンみたいやなと思いましたが、アルバムを聴き進めるうちにスタジアム級のバンドを見れる興奮に気持ちがすり替わって行きました。

個人的には、どうしても初期の荒々しく、熱く切実なライブをしていたバンプに思い入れがあるので、最近のバンプのシーケンスを多様した楽曲には多少戸惑いもあったかもしれません。

しかし、藤原基央は変わらずでした。

バンドは曲を奏でるために進化し続け、曲が素晴らしいクリエイターを呼び、そして、曲が老若男女を呼んでいました。

当時、たくさんギターロックと呼ばれるバンドが数多に存在し、シーンもありました。

ほんとに素晴らしいバンドが解散したり、メジャーで評価されずに埋もれていった中で、そのシーンのど真ん中で最初から今日まで、ずっとバンプだけが絶対的に君臨してきたように感じます。

大袈裟ですが、ほんとに、2000年以降の日本のギターロックシーンはバンプさえいれば十分だったといっても過言でないくらい、常に絶対的に普遍性のある言葉とメロディーを8ビートに奏でることが出来たのが、バンプ・オブ・チキンだけだったのかも知れません。

昨夜のドーム公演は、素晴らしい演出で、特に照明と、LEDリストバンドによる光の演出は大きな会場ならではの一体感とうねりを感じました。

それは、曲によってもたらされたのだということは、言うまでもありません。

逆に、初期の曲の時は、控えめな照明とLEDリストバンドのOFF状態によって、更に更に曲の存在が浮き上がり、その曲が自分の中に在ったことを呼び覚まし、バンプ・オブ・チキンとの物理的な距離感を溶解されていました。

三曲目に演奏された「K」は歌い出しで会場にオオ~とどよめきがありました。まさにまさにその瞬間であったのではないでしょうか。

10年以上前に当時の心斎橋クアトロではじめてバンプ・オブ・チキンのライブを見た時に聞いた珠玉の名曲をストーンズやエアロスミスが来日公演をした大阪ドームで再び聞けるとは感慨もひとしおでした。

場所や時代がどんなに違っても、いい曲は今もいい曲でした。そんな演奏と佇まいを続けれているバンプ・オブ・チキンはずっと素晴らしいバンドのままでした。

ほんとに凄いなと思います。

セットリストはネタバレになるのであまり詳細は記しませんが、新作からかなりたくさん演奏していました。

今回の新作はここ数枚に比べてアッパーな印象があります。

ライブでの再現に難しい曲もあったと思いますが、兎に角、バンプの曲は藤原基央の唄がいつも真ん中にあります。

バンドアレンジはますます高度になっています。

唄の世界観も哲学的かもしれません。

それでもいまだに若い子達のファン層を獲得、開拓しているのがライブでのシンガロングに響いていたような気がします。

これが凄い。

ある意味、バンドが紅白に出場するということは、硬派なイメージを失い、お茶の間に弄ばれる覚悟が必要かもしれませんが、それを受け入れたうえで、愚直にバンドの曲を鳴らす。

バンプ・オブ・チキンの場合、かなりの奇跡的なケースでオーディエンスに曲や唄が届き続けてる稀なバンドだと思います。

僕もその中のひとりでラッキーでした。

これからもバンプの唄を口ずさむんだろう。

そして、そんな唄がまたたくさん増えた。

これからも増え続けるんだろう。