寂寞の夕焼け | 空堀ホイホイ

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ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや


これは有名な室生犀星の詩ですね。

魔界都市大阪で暮らしていると、ホントに疲れてしまう瞬間があるんです。

望郷。

何を今更。

故郷なんぞ、とっくの昔に捨てた。捨てた。ステタ。



染まりゆく

今日の果て

映しだす

明日へ

どれだけ

眼を閉じて

朝を待つ

まだ果てぬこの生命

燃やせずに


止めどなく

流れる

頬伝う



くだらない

言葉たちを

重ねても

またこの空の下

歩いて行く


不甲斐ない昨日に立ち尽くしていた

帰る当てもないままに

この汚れた手から零れた

何を手にしたという


また



沈みゆき

空焦がす

あの

遠い

寂寞の

夕焼けよ



終わらない坂の途中で

振り返り失ってゆく

風向きは変わらずに

暗闇は続いてゆく



~寂寞の夕焼け~