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ココ数年、神社仏閣に異様に関心を示しだしました。
去年の夏に生まれて初めて高野山に行ったのだが、南海高野線で極楽橋というこれまた厳つい名前の駅で降り、そこからロープウェイで高野山まで登っていくのだが、その道程だけでもなかなかな巡行ぶりであった。

何ゆえに空海はこんな山奥に金剛峯寺を建立したのか。
何冊か空海に関する書籍も読んでみた。
空海は水銀の鉱脈を探していたらしいという説もある。
その鉱脈のあるところに神社を建てる傾向があるらしい。
よって神社に訪れると気持ちがすっきりしたり、元気になったりする作用がある。
最近流行りのパワースポット巡りはそういった場所が多いようだ。
昔の人はそういった事を知っていたのでしょう。
最近読んだこの「レイラインハンター」はそういった神社や聖地と呼ばれる場所の緯度や経度を詳細に調べ上げ、直線で結ぶと各々が浮かび上がり、果ては五芒星が浮かび上がってくるという事を緻密に調査した内容の著書である。

こういった説を唱える研究者は多数おられ、様々な著書が出版されている。
今回拝読したこの「レイラインハンター」は非常に読みやすく、著者の方も良心的で謙虚、かつロマンティストである。
そもそも聖地と呼ばれる場所は、縄文時代の山岳信仰や太陽崇拝のあった場所である。
そういった場所からは太陽の日の出が綺麗に見え、日の入りも美しく見える。
特に夏至や冬至の日には神秘的な光景を描く。
またそれに纏わる神話やお祭りが残されている。
しかし弥生時代に入って朝廷が先住民を征伐していく過程の中で、先住民のいわゆる聖地に結界を施していった。
それが現在に残る神社等のようだ。
日本列島の歴史はまだまだ明らかにされていない。
この山紫水明な風土こそ日本列島の財産だ。
この著書の最終章で沖縄のレイラインを調査されているのが興味深い。
本土とは明らかに違う文化圏だ。
沖縄、琉球は本土と違い女神信仰である。
これは伊勢神宮のアマテラスの起源ともされる。
日本神話の真相は一体なんだったのだろうか。
日本人は単一民族とういう固定観念は捨てた方がいい。
学校では何を教えているのだろうか。
様々な疑問を抱きながら、琉球の自然信仰に遠い記憶の慕情の念を抱いた。
再び沖縄訪れてみたい。
そんな気持にさせられた。
及び、地元近畿のレイラインも自分なりに研究してみたいとおもった。
実に興味深い視点の歴史書にもなりうる著書であった。