前回の記事で『金田一少年の事件簿』について触れましたので、
いろいろと蘇ってきた思い入れを徒然なるままに記載させていただきます。
なお、以下の文章で引用する文献は
『金田一少年の事件簿 公式ガイドブック ファイナル ラストエピソード』です。
(講談社、2001年)
『金田一』と『名探偵コナン』、同時期に連載されていた推理ものですが、
アタシは断然『金田一』派でございました。というか、今もそうです。
(『37歳の事件簿』はあまりちゃんと見ていないので、『少年の事件簿』限定の話で)
なので当ブログやXで『コナン』についてちょっとばかし辛辣に書いているのは
お許しを願えれば、と。
完全にアタクシの好みの問題ですから。
まあ、お互いに気を相当遣い合っていたことでしょうね。トリックとか被らないように。
(「モスキート音」は双方とも使用していた。確か『コナン』が先だと思う)
……ん?Yahoo知恵袋などでもう議論されていたようですけど、
コナン君最大のトラウマである「月影島」での「ピアノの呪い」事件って、
「秘宝島殺人事件」と、「最大のトリック」や動機や離島という舞台やら、
なんか諸々で既視感を感じるな。
まぁ、さとうふみやさん&天樹さんVS青山剛昌さんの対談もあったそうなので、
それを読んでいないアタシが何も云うことはないな。
なんというか、『コナン』がイマイチ好きじゃないのは、
『金田一』がFILE2「異人館村殺人事件」で島田荘司御大の某作品をパクり、
御大が「大人の対応」をしたことは知れ渡っておりますが、
まだいろいろと試行錯誤だったとはいえ、まあ良くはないことですが、
『コナン』は20年以上経過した時点で『マジカルミステリー劇場』のトリックを
パクっていたので(笑)。
あとはやっぱり、犯行の動機かなぁ。
『金田一』を編集していた裏方さんのひとりで、
KC4コマにもよく登場していた
「K林さん」と「T丸さん」、
そして法月綸太郎さんのミステリ談義より抜粋すると、
「【K林さん】動機の部分を僕はすごく重視してるんですよ。
「これは殺すよな」と思えるようなものでないと、
読者が長いクイズを読まされたような印象になるんじゃないかと。
(中略)
もちろん、基本的なこととしてストーリーの謎の部分を
大事にするんですけど、動機は社会と切っても切れない
ものではないかなと。
謎の部分には社会性なんかなくても構わないと思うんですが。」(45~46頁)
(T丸さんが都筑道夫さんを「いちばん僕の中では大きな存在」と
発言されたことを受けて)
「【法月さん】(前略)毎回大掛かりな仕掛けとか
トリックを使っても、ちゃんと犯人はそうする必要があったんだ、
「犯行の必然性」の問題をいつも念頭におかれているな
という感じがありましたから。
時々、ちょっと苦しい場合もありますが、
これは同病相憐れむというやつで(笑)。」(49頁)
つまるところ、何が云いたいかというと、
『金田一少年の事件簿』は8~10回くらいでひとつの事件が
完結し(短編だと2~3回)、
『コナン』は3~4回くらいで終わるのが通例なので、
それぞれの制作の仕方に違いがあるのは当然なんですけど、
『金田一』の方が、
「(各事件の犯人が)目的を完遂するまで捕まりたくない、
だから嫌疑をできるだけ逸らすため
このトリックで捜査陣をなんとか混乱させておこう」
という「必要性」を読者の側に
納得させやすいのではないかなって。
その動機なら事前にいろいろトリックを練り抜いて
おく労力を割いてもおかしくはないかな、と。
『学園七不思議殺人事件』『金田一少年の殺人』など
「火事場のクソ力」みたいなのもあるけど(笑)。
そして、動機は充分なんだけど、みんながみんな
入り組んだ犯行計画を設計できるわけではないから、
そこで高遠遥一が必要になったんだな、というのは勘繰りでしょうか。
『コナン』は「待ったは何回がいいと思う?」で
殺害するのはちょっと短絡的過ぎません?
って感じちゃってさぁ(笑)。