童子(わらべ)にSGT. Doraemon | JIROのブログ

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「話しの中身がどうなれこうなれ気持ちも知らずに」だべっていくと思いますが、他人様を傷つけることのないようにしていきたいと存じます。

サザンオールスターズデビュー記念日46周年にあたって、

 

46 → 語呂合わせで「シロ」 → 白 → White

 

というわけで、桑田さんがThe Beatlesのアルバムでは

 

最も好きだという『ホワイトアルバム』について

(強引だな、オイ)

 

したためられた『ケースケランド』(集英社文庫版、1986)の

 

「いけないビートルズ」という章に目を通してみたところ、

 

ちょいと気になる記述があったので

以下、それについて少し長く書いてみます。

 

 

『ケースケランド』の語り口にはほぼ全編にわたって

 

桑田さんらしさ、というか下ネタに溢れているのですが、

 

この章はとにかく真面目に、硬い文面で記されております。

 

「現在に至る音楽状況の隆盛を経験してきた

世代のひとりとして感じることが、

ビデオ・メディアなどによる、

聞き手側の想像力の欠如と、

与えられ過ぎる情報量による

音楽概念の規定のされ方である。」

 

 

ここでは「想像力」という言葉が使われていますが、

 

桑田さんが音楽活動で最も重視してきたもののひとつに、

 

「妄想」があるのは周知の事実でございます。

 

 

『ロックの子』(講談社、1985)では、

総括にあたる萩原健太さんとの会話部分で、

 

『ミュージックライフ』の

「動かない写真」「ワンショット」をもとに、一喜一憂して、

 

「【桑田さん】想像力をすごくきたえた世代だなって気がするわけ。

そいから、イコール“あのロックやってる人たちはすごい人だ、

神様!”って思ってしまう、そういう世代だったよね。」

 

「【萩原さん】限られた情報の中でもがきながら、ディテールをあさって、

で、対象をどんどん神格化してっちゃったみたいな。」

 

 

『素敵な夢を叶えましょう』(KADOKAWA、1999)でも

第27回「大切な日本語」で、

 

「言葉から波及する、もしくはそれに寄りかかる

なにがしかのものが希薄なのよ。」

「言葉を受け取った人が、具体的なビジュアルという

お宝を粗野に求めてくるような気がして。」

 

で、これらの引用部分の前後に「妄想」って言葉が出てくるわけでございます。

 

 

端的には

「妄想からすべてが生まれる。なのに、今、妄想がなさすぎるんだよ、ホント。」

(『ロックの子』199頁)

 

 

まあ、何が言いたいかというと、

 

「現在 この時代こそ 未来と呼ぶのだろう」という昨今において、

「これ以上便利になってどうするの?」とアタシは危惧しているわけで。

 

便利すぎる世の中だと、上述した桑田さんのご意見のように、

妄想が育たないと思うんですよ。

 

 

「物質文明」の槍玉にあげられることの多い

藤子・Fさんの代表作『ドラえもん』にしても、

 

「漫画の大元となる発想を代理で拵えてくれる

機械があったらいいなぁ」

 

という妄想から生まれたわけでございまして。

 

アタクシはミニマリストではない、というか

絶対にそうはなれないのですが、

 

どうもこの時代の価値観に違和感を覚える、

というお話でございました。

 

 

…………『ホワイトアルバム』全然関係ない。

 

「Helter Skelter」しっちゃかめっちゃかには

なっているけど。