「楽しくなければテレビじゃない」
そんな時代が終焉を迎えてから
どれくらい経過したのかわかりませんが。
再放送していただきたい番組はいくらでもありますが、
もしやってくれたら毎回欠かさずに観る、っていうのは
ひとつしか今のところありませんね。
それが、フジテレビ系で
2006年から2013年にかけて放映されていました、
『たけしのコマ大数学科』
(『コマネチ大学数学科』だったこともある)。
『コマ大数学科公認副読本 THE PARADOX』(扶桑社、2011年)の帯に書かれている文言を借りますと、
「数式を使わずに数学的発想を楽しむ」深夜番組でありました。
出演していたのはまず、
『シュレ猫が行く!』などの著作がある竹内薫氏、
『数学21世紀の7大難問』などの著作がある中村亨氏、
このおふたりが監修され、問題の解説も行っていました。
進行役は、
ルネ・デカルトとかアダム・スミスとかそんな衣装をまとった
ガダルカナル・タカさん。
毎回の問題について要点や背景を簡単に紹介するのが
戸部洋子アナウンサーでした。
(「知的に見えるかも」ということで眼鏡をかけていましたけど、どうもいまひとつ似合っていなかった印象が……。また殿曰く「何を喋っているか絶対自分で解っていない」)
そして解答者がそれぞれ3組。
ビートたけしさん演じる(?)
「マスマティック北野」通称「マス北野」、
タカさんが「頭のいいPUFFY」と称した
理系の大学生コンビ。
ダンカンさんを「部長」とする、
乄さばアタルさんやガンビーノ小林さんら
「コマ大数学研究会」こと、たけし軍団の皆さん。
軍団の皆さんは事前に「実験」を行って答えを導き出し、
(「フィボナッチ数列」なら起こりうる事象を虱潰しに実践する、
立体と平面の問題なら「トリックアート美術館」でロケを行うなど)
残り2組は知恵を絞って問題を解くことになります。
ラマヌジャンとか、この番組でアタシはいろいろな知識を得ました。
他に印象に残ることとして、
「【タカ】凄いですよ。我々の番組では珍しいことに、
苦情の電話がまだ一件も来ていません!」
「【殿】観てる奴が何をやってるか
理解できてねぇだけじゃねぇか?」
というやり取りや、
「【竹内】この番組自体がパラドックスですね。」
「【殿】平気でこんな難しいことをテレビでやってるのが、
まさにパラドックスだ(笑)。」
「【中村】それこそ「見てみないとわからない」(爆笑)。」
(補足:この直前に、殿が「シュレディンガーの猫」を
「浅草のストリップの看板」に喩えたことを受けて)
ってのがありました。
本当にもう一回真面目に観てみたい。
ついでに、冒頭でタカさんが毎回、
様々な数学者の名言を借用するんですけど、
「ἀριθμοὶ κυβερνοῦν σύμπαν」
(数は宇宙を支配する)←勿論コピーアンドペーストです
ってのがなんとも言えずに好きでした。
ただ、ついぞ使う機会はなかった(笑)。
バリバリの文系なもので。