今年は、中小企業も賃上げをしているそうです。しかし、深刻な問題もありそうです。5月22日の日経朝刊から抜粋します。


賃上げ圧力、中小渋々 ものづくり労組、ベア実施47%

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大手企業の賃上げの動きが中堅、中小企業にも波及してきた。「ものづくり産業労働組合(JAM)」が21日まとめた中間集計によると、賃上げを実施する企業は47%と前年の約3倍に跳ね上がった。景気回復による業績改善が背景だが、現場を探ると、深刻な人手不足で上げざるを得ない苦しい事情も見えてくる。

日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、3月の雇用人員判断指数は大企業のマイナス6に対し中小はマイナス15。中小の方が不足感が強く、人材確保のため賃上げする企業も多い。

上げられる企業はまだいい。「ない袖は振れない」という中小も多い。「(電機大手は好業績に転換したが)国内の下請けへの波及はまだまだ。人件費は到底上げられない」。都内に本社を置く樹脂成型部品メーカーの社長の表情は険しい。

足元の中小の賃上げについて、東京商工リサーチは「人員確保のための先行投資の側面も強い」と指摘。そのうえで「収益力が伴わなければむしろ資金繰りが悪化する恐れもある」とみる。
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5月2日、「主要企業の賃上げ率が2%超え」というタイトルでエントリーしました。
15年ぶりに、賃上げが2%台となったという喜ばしい内容でした。


この記事によると、大手企業に引きずられてかどうか、中小企業でも賃上げが好調のようです。
ただ、中小企業の賃上げの場合、利益を分配するというものではなく、深刻な人材不足に対応するために致し方なく賃上げをする会社が多いみたいです。


この賃上げ分を、価格に転嫁できればいいのでしょうが、それもなかなか難しいのでしょう。
景気は良くなりつつあるものの、人手不足による賃上げによる人件費アップで資金繰りが悪化…なんてことになると、何のための景気回復なんだってことになりかねません。


この記事は、「日本経済を支える中小企業に景気回復の恩恵が行き渡るか、注視する必要がある」と締め括られています。
全くその通りだと思います。