G博士のうつ病心得6ヶ条その4は頑張らないことです。


これはよく言われることです。


家でごろごろして、怠け者の典型みたいな、うつに陥っている人を見れば

励ますつもりででも頑張りなさいといいたくなるでしょう。


しかし、これがいけないというのです。


本人は頑張りたくなくてごろごろしているのではないのです。

どうにも体が動かず、気持ちも動かないのです。


その気持ちの中でもう一人の自分が何でこんなにだらしがないのだろう。

仲間たちに悪い、すまない、何とかしなくてはならない。

と思い続けて気が着くと、今日もまた何の役にも立たずに過してしまった。

などと思っているのです。


そこへもってきて頑張れといわれると、たとえいっている人が親切心から

いっていたとしても、それに応えられない自分が、またまた惨めになって

くるといった具合に落ち込んでいきます。


ですから、医者は周りの人にも「頑張れ」などというなというのでしょう。


では、前回のG博士のうつ病心得その3で夜中に眠れないときに本を

読んでは、考えに考え抜くといったのは何なのだ、

あれは頑張るということではないのか、という疑問が湧いてくるかも

しれません。


もっともです。


もう少し説明しましょう。


この考えているときの状況は努力して考えるということとは少し違います。


本を読んでいるときに、書いてある、ある事柄にたどり着いたときに突然

何かに触発されて、本から目を離し、考えたくなるのです。


そのあとは、ある種興奮状態になります。

つぎつぎと思い着くことを追って、忘れまいとして書きおかなければ

いけないと焦りが出てきます。


そうして、頭の中から思いついた事柄が消え去らないうちに、それを

夢中で書きなぐるといった状態になるのです。


考えに考えるというよりは、つぎつぎと思いつくことを書き落とさないように

夢中になってその作業に没入してしまうといったほうが良いでしょう。


私も没入するというのは頑張るということにならないかと、後にG博士に

尋ねたところ、一つのことに没入するというのは頑張るには当たらない。

といわれました。


やりたくないことを無理やりやるというのが頑張るということなのでしょう。


そこで没入する対象ですが、次に新しいことをしない、という心得も

あります。


没入するのは新しいことではなくて、以前から少々かじっていたけれど、

仕事が忙しいのでなかなか本格的に取り組めなかった。

暇になったら是非やってみたい、といった事柄がいいでしょう。


例えば若い頃からヘボ碁をやっていたけれど、

一度本格的に勉強してみたい、

などと思っている人は多いのではないでしょうか。

囲碁はうつ病にはお勧めです。


うつ病になると記憶をつかさどる脳の大事な器官である海馬が細くなり

やせ衰えます。

いや海馬が衰えるとうつ病になるのか、どちらか私にはわかりません。

とにかくうつ病患者の海馬は惨めに細くやせ衰えているそうです。


年を取ると、やはりやせ衰える海馬が囲碁をやると若者のように太くなる

そうです。


実際に、60歳を過ぎ、定年退職後に囲碁を本格的に始めた人を調べた

医者がそのようなことを発見し、うつ病対策として囲碁を勧めています。


このように、以前から取り組んでみたいと思っていた事柄などに

没入することは、うつ病克服には、きわめてよいことでしょう。