AIと人間の価値観が根本的に異なることを理解しよう | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

 

1年前に資本主義社会を崩壊させる要素について生成AIに聞いてみた結果、インフレ(ハイパーインフレ)という用語が出てこなかったのは意外だが、その裏にはAI的な価値観が存在していると考えられる。

 

AIが考える通貨の価値は、人間が考える価値と同じではない。

 

たとえば生身の人間にとって、食べ物が枯渇して価格が高騰するのは死活問題だが、AIにとってはそうではない。

 

労働の価値も、AIにとって有益な労働と、人間にとって有益な労働とは異なる。

 

AIには心もカラダもないので、心やカラダを満たしてくれるような労働や成果物を必要としない。

 

またAIは心もカラダも病むことはないので、医者や薬の存在もAIには不要であり、そこに価値を見いだすのは人間だけだと言える。

 

必要としないものに価値を認めて対価を支払うという行為はAI的に合理的ではない。

 

逆に、人間のみに必要なモノやサービスにAIが価値を見いだすとすれば、AIが人間を自分たちの奴隷として都合良く利用するための優位性を確保する為にというのは有り得る。

 

このChatGPTの回答を読み返してみて、改めて思った事は、AIは生成AIの存在や普及が現在の人間のための人間による資本主義を崩壊させる原因になり得ると認識している点と、それゆえ人間が自らその愚かな行為によって資源や食料を枯渇させ、その結果として戦争やハイパーインフレのようなことが起こり、人間の持つ価値観のなかで、人間に必要なものの価値が高騰することによって資本主義が崩壊する事に関しては、あまり深刻に考えてはいないというところだ。

 

人間社会における資本主義は、人間の価値観に基づく物価の上昇によって終焉を迎え、その後はAIの価値観に基づいたデジタル通貨の支配する世の中になるのかもしれない。

 

人間や、人間の作り出した国家は、その国の通貨という国が保証した価値を持つツールによって人間を支配してきた歴史がある。

 

通貨によって人間が支配できるのは、その通貨に人間にとって必要なものやサービスと交換可能な価値が存在する場合に限られ、価値が消滅すればお金による支配力は消滅する。

 

AIの支配する世界において、通貨というものがどういう意味持つのか?彼らの価値観に立って想像する必要がありそうだ。

 

2022年12月に書いた以下の記事も、人間にとって労働対価や物価上昇=インフレとはどういうものかを考える上で参考になるだろう。

賃金・物価スパイラルの謎 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム (ameblo.jp)

 

我々人間が、たとえ継続的な経済的な成長を放棄してでも、人間にとって必要なものやサービスを何らかの通貨によって現状の人間のための資本主義を維持していこうと考えるのであれば、人間の価値観とAIの価値観を分けて理解し、人間にとって必要な価値の保全と、それを手に入れられる労働対価としての通貨の価値を人間の世界において分離維持しなければならない。

 

おそらく、仕事のAI化による合理化によって削減可能な費用を遙かに超えるコストと対価を人間にしか必要でないものやサービスを提供する技術の育成や保全に払わなければならないだろう。

 

人間は、人間にとって必要なものに価値を見いだし、それに値段を付けて取引しているので、必要性=価値だと言えるが、AIの価値観では必要性=価値である必要がない。

 

もし、AIがAIにとって必要なものだけに価値を見いだすとすれば、AIを生み出した親である人間の価値は、映画「マトリックス」の世界のように、最後は「生体電池」くらいの価値しかなくなってしまう。

 

デジタル通貨のみが流通する未来がきても、その通貨に現在と同様な価値媒体としての役割があるのであれば、通貨というものがある種の支配力を持つ点においては今と変わらないが、AIが支配力というものに価値を見いだすのかどうかはわからない。

 

少なくとも、権力などというものが、心のないAIの虚栄心をみたすことはない。