メイドインアビスに学ぶ冒険の魔力とリスク | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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YOUTUBEの岡田斗司夫さんのチャンネルで評価の非常に高い「メイドインアビス」というアニメ。

【メイドインアビス】完全解説【フル字幕】【岡田斗司夫/切り抜き】 - YouTube

絵柄的に馴染めなかったせいもあり、1年以上前に1話目で挫折していたのを今回思い切って一気観したが、岡田斗司夫さんの評価通りの秀逸な作品で心に刺さった。

 

TVアニメ版は、1期「メイドインアビス」13話が2017年に放映されており、2期「烈日の黄金郷」12話は2022年に公開された作品だが、その間の2019年にTVアニメ版1期の劇場版総集編として「旅立ちの夜明け」が前編(G指定)と「放浪する黄昏」後編(PG12指定)、2020年に完全新作劇場版として「深き魂の黎明」(R15指定)が公開されている。

 

今から観るのであれば、TVアニメ版1期を観て、劇場版「深き魂の黎明」を観てから、TVアニメ版2期を観るという順番が良いと思われるが、この作品に引き込まれるためには1期の10話くらいまでは頑張って観なければならないだろう。1期10話目くらいが峠だと言っておこう。

 

簡単に言えば、これは「まどマギ」とも似た、大人向けのダークファンタジー作品だ。

 

アビスの謎、冒険とそれに伴うリスク、命の価値、友情、夢といったファンタジーとSF要素だけでも十分に表現可能なストーリーを、ここまでやるかというレベルでリアルで残酷な現実を同時に叩きつけており、もしキャラクターデザインがこのようなアニメ的可愛さのものでなければとてもグロくて怖くて観れないものとなっていただろう。

 

劇場版でも、かわいらしいキャラクターの絵とは裏腹にR15指定が付くほどなので、刺激が強すぎて、とてもいたいけな中学生以下の子供達には見せられない。

 

主人公のリコは、この絶望的で残酷な現実の中、それをものともせず、ひたすらに前向きに冒険を楽しみ、追い求めていく。

 

白笛だった母親がかつて挑戦し、決して戻ってこなかった「奈落の底」へ、最初は母親を求めて向かっているつもりが、いつの間にか冒険そのものを追い求める冒険の虜になっていく。

 

この物語は、どのような状況でも決して諦めないリコの明るさと前向きさに支えられていると言っても良い。

 

もちろん、奈落の至宝(超特級遺物オーバード)であるロボットのリグや、奈落の呪いで「成れ果て」の獣人となったナナチといったパートナー達との出会いなしには続けることの決してできなかったであろう奈落の底への冒険物語だ。

 

思えば、人類の歴史は地球という星における冒険の歴史だ。

 

いまやその冒険は宇宙へと向かってはいるものの、まだ宇宙に住むまでには至っていない。

 

目の前の半径1メートルくらいの範囲から、宇宙に至るまで、人間の冒険範囲は無限に広がっている。

 

しかし、冒険はその度合いが強く、高く、遠く、深くなるほどに大きなリスクを伴う。

 

ひとは何故、それほどまでして冒険を追い求めるのか?

 

人生に冒険は必要なのか?

 

冒険がなくてもひとは生きていけるが、冒険のない人生は楽しくないかもしれない。

 

この「メイドインアビス」という作品から、好奇心と冒険心の大切さを改めて学ばされた59歳なりたての私が居る。

 

奇しくも、今年から偶然愛用し始めた時計は、ロレックスのエクスプローラーⅡという機種だ。

この時計も極地探検家や登山家のためにロレックスが作り続けているモデルの1つだが、過去においては余り人気のないモデルだった。

 

『メイドインアビス』が観る者の心に刺さるのは、劇中で描かれる痛みが生きている証しであり、信念を貫こうとする足掻きだからだ。傷つきながらも前へ進むことを諦めないリコたちの姿は、忘れかけていた冒険心を刺激し、そして世界は残酷で美しくあるからこそ、命がけで探る価値があるということを思い出させてしまうのだ。— 倉田雅弘

 

まだ我々の冒険は始まったばかりだ。

「奈落の底で待つ」