最近の香港IFA動向について | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

 

今年の5月以降は、香港入国に際し空港でのPCR検査もアプリの導入による行動管理の要求も撤廃され自由に渡航が可能となったため、各国からの観光客は増加している。

 

コロナ渦によって封鎖されていた3年間は、香港においても経済的な打撃は大きかったと思われるが、その状況下でも政府の手厚い支援もあって香港人国内需要は掘り起こされ、中国本土から来る観光客に依存しきっていた以前とは少し違った形で活気を取り戻していたが、今後はさらに中国以外の海外からの観光客をもっと取り戻していこうという政府の強い意向が感じられる。

 

香港を訪れる中国人の数も増えてきてはいるものの、以前のようなブランド爆買いの勢いはなく、聞くところによると無税の香港で爆買いをしても、それを中国本土に持ち帰る際にかなり厳しく課税されて結果として中国本土で買うよりも高くついてしまうらしい。

 

日本に来て爆買いをする中国人が戻ってこないものも同じような理由かもしれない。

 

また、日本人の場合、香港への入国は簡単だが、香港から中国本土の深圳(シンセン)や珠海(ジュハイ)に渡る際には入国ビザが必要であり、観光入国用の最大5日間滞在可能なビザを国境で申請しなければならず、中国国内の行動に関しても、入国時にダウンロードさせられるアプリによって監視されるのがとても面倒くさい。

 

そんな状況の中、香港で生命保険や金融商品を仲介するIFA(金融商品総合ブローカー)のビジネスは徐々に回復方向にはあるものの、コロナの封鎖期間を経て圧倒的に少なくなった渡航者や中国側の規制によって減った資産移転や脱税を目論む中国人の富裕層顧客のダメージは大きいようだ。

 

香港を拠点にIFAのビジネスを行っていた会社の中には、中国からの軍事的圧力が強まっているために、資産の海外移転熱が上がっている台湾に拠点を移したところもある。

 

20年前にはアジアのオフショア投資の最もホットで先駆的なエリアは意外なことに台湾だったので、既に台湾の富裕層の刈り取りはとうの昔に済んでしまってると思っていたが、ここに来て海外(オフショア)投資熱がまた上がってきているのかもしれない。

 

日本人の市場に関しては、今や渡航しなければ買えない商品は無くなってしまったので、香港を訪れる金融的なミッションがあるとすれば、相変わらずHSBC香港など銀行口座開設か、現金の持ち出しによる資産移転くらいだろう。

 

もちろん、中国による国家安全維持法制定以降に強まった中国の政治的圧力や、言論の統制強化など、懸念される方もおられるだろうが、香港の観光的価値は昔と変わらず魅力的だ。

 

かつては日本人市場においてドル箱であった、RL360やITAが提供するようなオフショア・セービングプランと呼ばれるファンドラップ型長期積立商品は、国内での積立NISA普及の勢いに押されて縮小気味であり、サンライフやFTLifeの提供するドル建て養老年金のような、短期払いが可能な保険商品に移行している。

 

香港のIFAはそういったトレンドに敏感というか、生き残る為に柔軟に対応していると思われるが、海外戦略に関しては日本や中国など特定の地域に依存しすぎていたところは苦しいようだ。

 

過去10年以上にわたって質の悪い紹介ルートで販売されてきたオフショア積立の市場は死に体に近くなっており、日本市場と特定の商品に依存し続けてきたIFAは方向転換か業務の縮小を余儀なくされている。

 

ITA(インベスターズトラスト)に関しては、紹介者が飛んでも最後はITAのResolution Center(リソリューションセンター)から直接サポートが受けられるが、フレンズプロビデント、RL360に関しては、仲介IFAが今どのような状態で、ちゃんと連絡が取れるのかどうかを確認しておいた方が良いだろう。

 

最近は、RL360をMLM(マルチレベルネットワーク)系の紹介ルートで乱売ししてた香港の某IFAと連絡が取れなくなったという話をよく聞くが、スタッフが殆ど別の会社に行ってしまったようだ。

 

香港の金融業界では、IFAに限らず人の移動はよくあり、特定の担当者が5年以上在籍することは希ではあるが、一気にスタッフが居なくなるのは困ったものだ。

 

また最近では、とあるIFA(Mega Group Holdings)が廃業したという話も聞く。

この会社は、10年くらい前に日本人の顧客だけを対象にフレンズプロビデントを扱っていたところだったと思うが、運用成績うんぬん以前に連絡が取れなくなったり、廃業された日には顧客は難民化してしまう。

 

フレンズプロビデントやRL360であれば移管を受け入れてくれるIFAはあると思うが、日本人メインでやっていたIFAはどこも苦しい感じなので、移管先が今後も大丈夫かどうかは見極めが必要だろう。

 

今のところ、私が世話になっている香港のGrandtag Financial Group(グランターク)というIFAは、日本以外の韓国あたりが好調なようなのでまだ大丈夫そうではあるが。

現在のIFAに不安を感じるようであれば移管の問い合わせをしてみるといいだろう。

Grandtag Financial Consultancy