仮に日本国内で正規に流通する保険商品が海外のものと比較して著しく運用性が劣るという事実に気付き、それを探し求めても、日本居住者が契約可能な海外の保険商品は限りなく少ない絶滅危惧種だ。
マイナポイント目当てにマイナカード申請に行列を作っている場合ではない。
今海外の生命保険をゲットしておかなければきっと後悔することになるだろう。
海外のUSドル建て生命保険および運用型の養老年金で、日本居住者が契約可能なものは限られている・・・というか今やSun Life(サンライフ)とFTLife(エフティーライフ)の2択と言っても良い。
※ハードルは高いが、アメリカの生命保険という選択肢もなくはない。
選択肢が香港の保険会社2社しかないとしても、2社が提供する商品もいろいろあり、その中で自分はどの商品を買うべきなのか?はなかなか判断が難しい。
以前にも説明したように、香港の貯蓄運用型ドル建て養老年金商品のトレンドは、USドル金利の上昇に乗っかって複数の類似商品が乱立する傾向にある。
会社のブランドとしては、Sun LifeとFTLifeの比較では圧倒的にSun Lifeの方が格上と思うが、近年の香港保険のトレンドは新興のFTLifeが引っ張ってきたという部分も有り、一概にFTLifeを否定もできない。
Sun Lifeが近年上市してきたVision, Venus, VictoryのVシリーズ、昨年上市されたStellar、そして今年になって上市されたSun Joy, Sun Giftなどは、顕著にFTLifeの人気商品であるRegent Premier2の商品トレンドに追従してきたように思われる。
米金利の上昇した今、それを反映した最新の商品であるSun Life(サンライフ)のSun Joy(サンジョイ)がこれら全ての商品の中でも最も魅力のある養老年金商品であることは確かなので、見積もり(イラストレーション)をIFAから取り寄せて検討する際にはSun Joy(サンジョイ)を基準にするのがよいだろう。
Sun Joy(サンジョイ)はUSドル建てオンリーで、2年払いと5年払いしかないが、2年払いを選択し、全期前納するのが、最も短期的にドル円の為替を確定させて資産を海外に移転する手段としても有効だ。
もちろん、見積もり上には保証利回り(Guaranteed)と非保証利回り(non-Guaranteed)が記載されていて、年7%程度の期待利回りはその合計であることを理解しておく必要はある。
特に、非保証利回りが反映されたReversionaly Bous(途中で一部引き出しが可能な配当部分)とTerminal Bonus(満期解約時のみ発生するボーナス)のうち、Terminal Bonusの金額比率が非常に高くなっている点にも注意が必要だ。
※これはFTLifeのRegent Premier2と同様。
それでも、日本国内で提供されているドル建ての養老年金保険で、実質利回りでこのような数字を実現可能な商品は存在せず、これを知ってしまうとアホらしくて国内生保のドル建て養老年金など買う気にはならないだろう。
国外のことを知らないということは、圧倒的に不利な買い物をする結果となる。
SunJoy(サンジョイ)について簡単に言えば、損益分岐点6年、その後の期待利回りは7%、つまり72の法則で計算すれば72/7=約10年で元本は倍になるので、たとえば25,000ドルx2年で5万ドルを支払ったなら、6年で解約して5万ドル、10年で7万ドルとなり、20年で14万ドル、30年で28万ドル、40年で5万ドルがおよそ10倍の53万ドルとなる。
ここまで知ってしまうと、SunLife HK(サンライフ香港)のSunJoy(サンジョイ)を買わなければ損のような気になってしまうが、実はもっと多くの人が契約すべき商品は昔からあるホールライフ型生命保険のLife Brilliance(ライフブリリアンス)だったりする。
もし、あなたが確定の死亡保障の付いた生命保険を冷静に考えてどうしても必要な人であれば、LIfe Brillianceは買っておくべき海外の生命保険だ。
しかし、このLife Brilliance(ライフブリリアンス)は今年の5月には打ち切りになってしまうというショッキングなニュースがある。
実際には、Life Brilliance(ライフブリリアンス)は廃盤となり、それを代替するあらたなホールライフ商品が上市されるということだが、噂ではその商品は死亡保障重視の内容にシフトするとのことだ。
現行のLife Brillianceは、100歳まで確定の死亡保障が付き、解約返戻金と確定死亡保障に配当が累積して100歳時点での死亡保障と解約返戻金は同じ額にまで成長するという構造になっており、解約時の損益分岐点は支払い年数によっても異なるが12年~14年くらい、その後の期待運用利回りは4~5%程度となっているが、それが死亡保障重視になるということは、おそらく死亡保障が安く買える代わりに解約返戻金の利回りが犠牲になるものと思われる。
つまり、より高額な死亡保障を同じ保険料で購入することが可能になるのではないかと思われる。
もしくは、保証利回りを非保証利回りの比率が、非保証利回り寄りに変更される可能性もある。
その方が見積もり上はよく見えて売りやすくなるからだ。
Life Brillianceを代替する商品の詳細は今のところはっきりしないが、なんとなく直感的にはLife Brillianceを買っておいたほうが良いような気はする。
サンライフとしては、おそらく運用重視ならSun Joy(サンジョイ)を、死亡保障重視ならLife Brillianceを代替する新商品という具合に棲み分けをし、どうせなら両方買ってもらおうという戦略に違いないが、同じ予算でふたつ買えるような人もそういない。
特に、子供が小さいときに買っておいてあげる子供保険の場合など、死亡保障とキャッシュバリューをバランス良く兼ね備えたLife Brillianceのお得度は高いように思われる。
0~10歳くらいの子供が居て、日本でしょうもない学資保険などを買っている(買おうとしている)人は、香港のIFAに問い合わせて見積もりをもらってみるべきだろう。
Life Brillianceの場合、見積もりをもらうには、「何年払いで100歳までの最低死亡保障額いくらほしいのか?」をIFAの担当者に伝える必要がある。
もちろん、被保険者が誰で、被保険者の年齢や性別、喫煙有無、健康状態などによって見積もりは変わってくる。
支払期間は5年/10年/15年/20年と選べるが、今の状況でお勧めは5年払いだけだ。
これもRL360など積立と同じく、20年払いなど長期の支払いで契約した場合に、途中で挫折してしまうケースをよく見かけるからだ。
それと、将来のドル円為替レートが想像もつかないほど円安になる可能性もあるので、できれば5年払いでも全額を一括前払いしておいた方がベターだろう。
これはクレカによる決済が可能だ。
以下は、40歳男性(非喫煙)、US1万ドル(約135万円)x5年=総支払額5万ドル(約675万円)で、最低死亡保障117,900ドル(約1,590万円)の場合のSun Life HK(サンライフ香港)Life Brilliance(ライフブリリアンス)の見積もりだ。※但し、昨年以前の見積もりなので、今年になって最新の米ドル金利に対応した見積もりは内容が少し良くなっている筈だ
左側の赤枠内が③Surrender Value(解約返戻額)
右側の青枠内が④Death Benefit(死亡保障額)
簡単に説明すると、この40歳の男性は、5万ドルを支払うことで、117,900ドルの確定死亡保障が100歳まで付いた保険を買うことができ、払った5万ドルと解約返戻額が同じになる損益分岐点はおよそ13年目。
⑥non-Guaranteed(非保証)の配当部分は解約返戻額と死亡保障の双方に累積していくので、100歳まで配当が累積した場合、実際には死亡保障も解約返戻額も同じ706,783ドルとなる。
もちろん、これは生命保険であり、いつ死んでも117,900ドルの死亡保障が支払われるので、掛け金と受取額だけをみれば、早く死んだほうが良いように思えるが、今のところ自分がいつ死ぬかを自分で決めることはできないし、分からない。
多くのひとは、思ったよりも長く生きてしまう時代であり、それが長生きのリスクと呼ばれている。
しかし、この海外では一般的なWhole Life(ホールライフ)型生命保険の場合は、長生きするほどに死亡保障額は大きくなるし、加入から13年経てばその後解約返戻額が支払額を下回ることなく運用される。
この保険のいちばん良いところは、長生きするほどに得をするという点だろう。
0~3歳くらいの小さな子供に保険をかける(子供保険)場合、被保険者は子供だが、名義人と死亡時の受取人は親であり、子供の統計的な死亡率を考えると、親がその死亡保険金を受け取ることはまずない。
0~3歳くらいの子供が被保険者の場合、上記の見積もりは同じ5万ドルの支払いなら100歳までの確定死亡保障はほぼ倍、同じ10万ドル程度の死亡保障の場合、支払額は約半分となる。
但し、見積りの利率計算は同様なので、加入から50年で解約返戻金が支払額の10倍になるということが、実際に起こる可能性が高い。
その間に、子供は成人し、名義は親から子に引き継がれることになるだろうが、子供にとっては有り難いギフトに違いない。
サンライフ香港のLife Brilliance(ライフブリリアンス)、なくなる前に買っておいた方がいい。
運用型のSun Joy(サンジョイ)は、魅力的だが生命保険ではない。
優先順位としては、もちろん死亡保障が必要なひと、もしくは子供が居てまだ小さいひとに限られるが、まずは国際スタンダードなホールライフ生命保険を手に入れておくべきだと思う。