最近、ZUU onlineの広告が頻繁に出てきて、そのキャッチコピーに感銘を受けたので記録しておきたい。
インスタやFBで出てくる広告なのだが、以下に引用させて頂く。
『超富裕層の「資産戦略」の隠された話』
富裕層から
超富裕層にステップアップする
あなたの戦略
「お医者様限定」資産1億円以上の医師の方を対象に、資産管理戦略勉強会を開催します。
〈こんな医師の方におすすめ〉
✔金融資産1億円以上の医療法人経営者の方
✔現在の資産を短期間で5倍・10倍へと伸ばしたい
✔30代、40代で事業と金融を融合し、資産30億円へ到達したい
なかなかインパクトがあるキャッチだ。
ターゲットの絞り込み方も、単なる「資産1億円以上の富裕層」ではなく、医師限定でしかも具体的に資産を短期的に5倍、10倍にしたいとか、資産30億円を目指したいとか、かなり上昇志向を煽るような切り口で露骨だ。
(株)ZUUという会社、余り興味を持っていなかったが、今回改めて会社概要を見たところ、なかなか興味深く、富田社長がなかなかのやり手であることは間違いない。
簡単に言えば、国内の業法規制に完全に沿った形で、アッパーマス層をターゲットに、今流行のフィンテックも取り入れて、きれいな形でメディアとして情報提供しながら、国内の既存金融機関との合法的なマッチングと、そこからの広告収入を成り立たせるプラットフォームを構築し、たった5年で上場を果たした。
「金融領域に特化した4つのメディアを展開するZUUは、野村證券で富裕層向けプライベートバンキング業務のキャリアを積んだ冨田和成氏が2013年に設立。創業わずか5年で上場を果たす。代表取締役の冨田氏と共にZUUの経営をリードするのは、一村明博氏。大和証券や松井証券などで、同じく富裕層や中小企業オーナー向けの個人営業に従事してきた。
金融資産3千万円以上、または年収700万円以上の「アッパーマス」と呼ばれる富裕層をターゲットとしたZUU onlineの他に、同社は、経営者向けに資金調達やM&A(合併・買収)などの情報を扱う「経営者 online」、金融業界関係者向けにフィンテックに関する情報を提供する「FinTech online」、女性向けの投資情報サービス「DAILY ANDS」を運営している。
メディア事業における約3億2千万円の広告収入に加え、ZUUは「フィンテック化支援サービス」の事業で約3億9千万円の売り上げを計上する。同事業では主に、金融や不動産企業に対してオンライン広告、集客、購買におけるコンサルティングを提供している。」
このようなネタは、いかにも上昇志向の強い若い人が食いつきそうだが、現実にはキャッチで謳っているような超富裕層は、囲い込めないことがわかっていて、それを餌に一般大衆向けの情報提供を行い、国内の金融機関から広告収入と金融商品の仲介手数料を巻き上げる仕組みだろうと思われる。
かくいう私も、もう少しで「資産1億円の教科書 ~お金持ちになるための行動編~」という【限定eBook】無料プレゼントをポチりかけた。
冷静に考えて、このようなものが役に立つはずがない。
しかし、マーケティング的に、ZUUのやり方は巧妙で頭が良いことは確かだ。
富裕層だけが知っている技術やプライベートバンクの活用術に富裕層は食いつかないが、非富裕層は食いつく。
富裕層はそもそも群れないので囲い込めないが、金融リテラシーの低い一般層は囲い込める。
国内の金融機関が狙っているのは、囲い込めない富裕層ではなく、囲い込めるマス層である。
ぼうっとしていると、独自の情報網を持ち得ないマス層は容易にこのような餌に引っかかり、吸い込まれてしまうことだろう。
私もお金持ちになるマニュアルがタダで手に入るなら欲しいとは思うが、そんなものがあればお金持ちは苦労しない。
金持ちになりたかったら、金儲けのことに頭をフル回転させて死ぬ気で働くしかないだろう。
金持ちの秘密のマニュアルで金持ちになれるなら、みんなが金持ちになってしまうが、この資本主義社会ではそんなことはあり得ない。