歴史に残るMT仕様の4ドアスポーツセダンを探す旅々 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

Mr.Gの気まぐれ投資コラム

50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

これから死ぬまで自分が運転するクルマはMT(マニュアルトランスミッション)車にすると決めた私だが、いま直面しているつまらない問題というか、エンスーな悩みがひとつある。

 

それは、どうしても1台は(実務的な日常使用に)必要な4ドアセダン(もしくはツーリングワゴン)のMT車が今絶滅の危機に瀕しており、今後も少なくともあと20年くらいはメンテナンスを受けながら乗れて、かつそれだけの手を加えて保存する歴史的な価値のある4ドアセダンを探して手に入れるとすればもう今しかないのでは?という悩みだ。

 

80年代、90年代には該当するいいセダンがあるが、そこまで溯ってしまうと、ビンテージのカテゴリーに入ってしまい、他に所有するビンテージカーの実用的バックアップ車両として機能しない。

 

80年代まで溯ることができて、予算制限が無いのであれば、私の中で理想のMT仕様の4ドアセダンは1984年のBMWアルピナB9 3.5 E28の5MTだろう。

元祖「羊の皮を被った狼」。

 

 

もしくは、1989年のメルセデスベンツ190E 2.5 エボリューション1(Evo1)は、手に入るものなら死ぬまで大事にして乗る価値のある4ドアセダンかもしれない。

ベンツは以前500Eをもう少しで手に入れそうになったが、詐欺?にあって手に入らず。

それ以来縁がないものと思っていたが、MT仕様の190Eは欲しいなぁ・・・。

 

この「歴史的に価値のあるMT仕様の4ドアセダンを手に入れるべきか?」問題は、現在我が家でこのポジションにいる「2006年式アルファロメオ159 2.2 JTS 6MT」の車検整備が空冷ポルシェの整備をお願いしている店で断られた事件に端を発する。

 

このアルファロメオ159は、ジウジアーロのデザインで、世界でも最も美しい4ドアセダンのひとつだと私は思っているが、今のところ不人気車のためか値段も安く歴史的な価値も認められていない可哀想なクルマだ。

偶然に友人から譲り受けることがなければ多分この159にも、アルファロメオというクルマにも一生乗ることはなかったような気がするが、結果からすれば非常に良いクルマだったと感じている。

そもそも2006年という年式のクルマは私が今まで乗ってきた中では歴代最新のもので、空冷ポルシェには縁の無い豪華な装備や電子制御システムだけでも、私のクルマ史上間違いなく最高級の代物だ。

私の159はV6の3.2ではなく、2.2のFFだが、案外2.2JTSのほうが軽快で当たりだったかもしれない。

何よりも6MT(マニュアルミッション)仕様であったのがコイツを捨てられない大きな理由だ。

 

GMとの提携により、エンジンブロックがGM社製であるとか、アルファロメオらしくない仕上がりの為あまり人気が出なかったとの事だが、もともとアルファロメオファンでもイタ車ファンでも無かった私からすればどうでも良いことだ。

 

なぜ、このクルマ(159)の車検整備が断られたのか?

実は本当の理由は分らないのだが、自分なりに考えてみた結果、おそらく159はその店の店主からすると「価値的に扱うべきクルマではない」という烙印を押されたのではないかと勝手に想像している。

 

中古市場でも100万円もしないこの素敵なクルマは、恐らくこれから先10年とか何百万円もかけて整備して乗るほどの価値がないのは明らかだ。

現実に、今回はアルファロメオ正規ディラーに持ち込んで車検整備を行ったが、下手すればもう一台買えてしまうコストがかかった。

 

よほど何かが致命的にぶっ壊れるような事が無ければ、少なくともあと2年はこの素敵なアルファロメオ159に乗り続けるだろうが、その先のことを考えずには居れなくなった。

 

人生の最後に歴史的遺産として価値のあるMT仕様の4ドアセダンを手に入れたい・・・。

しかし、それは何なのか?

 

できれば2000年以降の、最新の装備を持った4枚ドアのセダンで、高性能で、かっこよくて、ラグジュアリーな、しかもMT仕様という設定には、そもそもMT仕様自体が絶滅しようとしているこの状況下では、なかな難しい。

 

そこまでMT仕様に拘る意味が果たしてどこにあるのか?と言われれば、正直自分でも分らないくらいだが、最後の空冷993をMTに積み替えてから「今後はマニュアルしか乗らない」と決めたくだらない個人的拘りに過ぎない。

10年後にはAIがシンギュラポイントを迎え、自動運転のEVが当たり前の時代になるのかもしれないが、私はあくまで人間の感性で操作可能なガソリンエンジンのマニュアルトランスミッション車に拘りたい。

 

しかし、いざ探してみるとその選択肢の無さに驚く。

少なくとも2000年以降のクルマでなければ、おそらく今乗っているアルファロメオ159の装備や実用的満足度を超えることは難しい。

4ドアセダンである限り、とにかく止まる壊れるの不安無く乗れるクルマでなければならない。

 

ビジネスでも使える高級4ドアセダン(できれば5人乗り)というクルマのカテゴリーで、MT車は元々設定が少ない上に、その中で歴史に残る名車と呼ばれるものは、あったとしてもそこそこ古いものになってしまい、コンディション的に4ドアセダンに求める本来の目的であるビジネス使用や家族との長距離ツーリングに不安が残るという点だ。

 

特に、日本に輸入されている左ハンドルの外車で4ドアセダンのマニュアルとなると更に選択肢は狭まる。

 

国産であれば、ざっと見た感じ、最も年式が新しくこの選択肢に入るものは恐らくトヨタのMARK X GRMNという限定車、トヨタが生産した高性能4ドアセダン歴史上最後のMT仕様という位置づけになりそうだ。

 

 

TOYOTA MARK X GRMN 2019年

 

TOYOTA MARK X GRMN 2015年

 

正直、このMARK X GRMNというクルマは今まで存在すら知らなかったが、スペック的には割と理想に近い。トヨタの最新型4ドアセダンでマニュアルスペック・・・。

しかし、なぜか胸は躍らないし、将来にわたって歴史的価値をもちうるポテンシャルのクルマかどうかも怪しい。のっぺりとしたイルカのようなフロントマスクもどうも好きになれない。

 

「マークX」はFR(後輪駆動)の上級セダンであり、上位モデルのエンジンは排気量3.5LでV6の318ps(GRMN初代モデルは321ps)と高出力。ただし通常モデルにはATしか用意されていないのだが、「せっかくなので究極のスポーツセダンを作り上げよう」とメーカーの手でMTに架装して限定発売したものだ。

4輪レーススポーツを積極的に推進するトヨタらしい発想ではある。

 

クラウンアスリートのMT仕様は普通に有るのか(あって欲しい)と思ったが、意外にも標準仕様ではMTは見当たらず、あっても載せ替え車のみようだ。

 

1999年チェイサーツアラーV2.5(JZX100系)のMTというのも最後のMT4ドア高級スポーツセダンのひとつと言えなくもないが、残念ながら2000年以降の生産はない。

案外、このJZX100系チェイサーが、トヨタ車では歴代最高のMT仕様4ドアセダンということに将来なるのかもしれない。

 

2000年以降では、2002年マークⅡ2.5グランデiR-VにもMT仕様があったようだ。

 

 

このマークⅡ、チェイサー、クレスタという今となっては過去のトヨタ王様セダン3兄弟には、「1JZ-GTE」という型式の名機と呼ばれるエンジンが搭載されており、チェイサーJZX100やマークⅡグランデJZX110に搭載されているのは後期型の1JZ-GTEになるらしい。

 

この2000年前後に生産されたJZX100/110系のMT仕様は、「ドリ系」と呼ばれて巷では人気があるそうだが、どうしても雰囲気的にはヤンキー車の印象が強く抵抗がある。

 

4ドアとは言え、ラリーホモロゲ系になってしまうが、一応4枚ドアというカテゴリーではランエボやWRXという選択肢はあり、WRX STIには2020年モデルのMT車もあるようだ。

 

ランエボXファイナルの6MT車は2015年まで生産された。

 

2000年から2006年に渡って販売されたレガシィB4ブリッツェン(BLITZEN)などポルシェ乗りにとっては魅力的なクルマだが、市場では何故か不人気で価格も安い。

私的には2003年のBHのスタイルが好みだ。

 

 

ランエボ、インプレッサ、WRX、レガシーといった4WD高性能4ドアセダンでは、ランエボは間違いなく歴史に残る名車だとは思うが、自分の好みで言えばⅤ、もしくはファイナルかな。

 

1998 三菱ランサーエボリューションV

 

2007年~2015年 ランサーエボリューションX(ファイナル)

 

 

ここでは敢えて候補に挙げないが、ホンダのFFスポーツセダンでMT仕様があるシビックやアコードのTYPE-Rという選択肢もある。

 

やはり、国産車では、4ドアセダンでMT仕様が有り、2000年以降も生産されていて、今後確実に価値が上がるクルマというとランエボくらいしかないのかもしれない。

 

もしくはチェイサーJZX100型か・・・。

最新で最後という観点ではマークX GRMNになるが、やはり国産車は自分の中でどうもピンとこない。

どうしても国産車縛りということになると、案外レガシィB4ブリッツエンBHがダークホースか・・・。

しかし、死ぬまで乗るかもしれない人生最後の選択となると国産車は躊躇される。

 

とすれば、やはり左ハンドルの外車に拘るべきか?

 

2000年以降生産の外車で、しかも左ハンドルと限定した場合にはどうだろう?

最近の輸入車は殆どが右ハンドルでATなので、選択肢の幅は更に狭くなる・・・。

 

この縛りの中で、色々と検討してみた結果、今のところ最有力候補はアウディRS4ではないかという結論に達した。

 

初代B5系アバント(2001~2002年)

1994年にポルシェとのコラボにより完成されたRS2の流れを汲み、ボディタイプはアバントと呼ばれるワゴン型のみ設定され、セダン型の設定はない。

日本での限定販売は僅か50台

ワゴンのみだが、もし運良く手に入るなら歴史に残る魅力的な1台であることは間違いない。

 

2代目B7系(2006~2008年)

B7にはセダン設定があり、左ハンドルMT仕様もある。

現実的にはこのB7のセダンがRS最後の左ハンドルMT車であり、有力候補となる。

 

 

アルファロメオ 新ジュリア 2017年~

 

これも魅力的ではある~

159を譲ってくれた友人が今乗っているのがこれだが、将来譲って貰えるのであれば乗ってみたいものだが、残念ながら8速ATだったような・・・。

 

2017年に日本で発表された新型ジュリアは、1962年に誕生した初代ジュリア、ならびに1990-2000年代に絶大な人気を博したAlfa Romeo 156、Alfa Romeo 159の系譜を継ぐ、Dセグメント(アッパーミドルサイズ)のスポーツサルーンとなっている。

不人気だった159のリリースから10年経って、ようやくアルファロメオらしいジュリアが出てきたというところだ。

エンジンは、アルミブロックを持つ2リッター直列4気筒ターボ(200ps)/Julia Super(スーパー)と、同排気量で280psを発生する高出力版ユニット/Julia Veloce(ベローチェ)、そして510psという圧倒的なパフォーマンスと気筒休止システムによる高効率化を両立した2.9リッターV6ツインターボエンジン/Julia Quadrifoglio(クアドリフォリオ)の3種類が用意され、トランスミッションは全車に8速ATが組み合わされそれが主力のようだが、クアドリフォリオには左ハンドル6MTのスペックも元々はあったようだ。

 

Alfa Romeo Julia Quadrifoglio

最新のニュースによると、FCAジャパンは2021年6月28日、アルファ・ロメオのスポーツセダン「ジュリア」のラインナップを2グレードに集約すると発表している。

 

ジュリアの新しいラインアップは、最高出力280PSの2リッター直4ターボを搭載する「2.0ターボ ヴェローチェ」と、同510PSの2.9リッターV6ツインターボ搭載の「2.9 V6バイターボ クアドリフォリオ」の後輪駆動2モデル。「2.0ターボ スプリント」「2.0ターボ ディーゼル スーパー」「2.0ターボQ4ヴェローチェ」は、現在の在庫をもって販売が終了するとのこと。

いずれもMT仕様はないようだ。

 

中古ではマニュアル車も市場では見かけるので候補としては悪くない。

 

さて、BMWの3シリーズ4ドアもしくは5シリーズの左ハンドルMT車で日本に入ってきている最新で最後の機種は何なのだろう?

 

中古市場では以下のような年式と仕様が発見されたが、BMWも2000年以降のモデルでは4枚ドア左ハンドルMTはなかなかない。

 

2001-2002年 BMW M5 4.9  6MT

 

2002年 BMW 330i M sports 5MT

 

中古市場でアルピナのMT仕様は2000年以降のモデルでは見当たらない。

 

BMW アルピナB10 1998年

アルピナB12 1996年

 

やはり、BMWであれば84年のアルピナB9 E28しかないか・・・。

 

Mercedes-Benzでは、MT車を見つけること自体が本国からの並行輸入でもない限り難しそうだし、中古市場でも見あたらない。

 

BMWやメルセデスのマニュアル4ドアセダンは、2000年以降のモデルではあったとしても、どうもテイストがラグジュアリー過ぎて自分には合わない気もする。

 

こんなつまらんことをこの1ヶ月以上延々と考えているが、しばらくこの旅を続けてみようと思う。

なんだかんだ言って、アルファロメオ159も愛着がわいてしまい手放しにくいというのも事実だ。