レイシズムとジェンダー平等論と好き嫌いや相性について | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

米東部ニューヨーク市でアジア系の女性(65)が男に蹴り飛ばされ、頭を踏みつけられる様子を撮影した監視カメラの映像が波紋を呼んでいる。

 

事件は3月29日午前11:40ごろ、繁華街タイムズスクエア付近の路上で起きた。映像では、男が歩いていた女性の腹部を突然蹴り、倒れた女性の頭部をさらに数回踏みつけた後、立ち去っている。女性は重傷。米メディアによると、女性はフィリピン系で、男は女性に「ここはお前のいる場所じゃない」と話したという。

 

いわゆる「ヘイトクライム」の可能性が高いとしてNY市警は容疑者の特定を急いでいるとのこと。

 

アメリカでは昨年のBLM(Black Lives Matter)運動から、今はアジア人差別問題が勃発しており、アメリカの白人社会に根付く人種差別(レイシズム)問題を浮き彫りにしている。

 

日本でも、森さんの女性蔑視発言問題から、ジェンダー平等論がクローズアップされているが、アメリカに根付く差別問題とはレベルも文化的背景も全く異なる薄っぺらさを感じずにはいられない。

 

人種差別が横行するアメリカでは、表向きの制度やルール-上の男女平等や人種差別の撤廃、マイノリティーの保護制度は日本よりも遙かに進んでいて、ペナルティーも厳しい。

アメリカという国の成り立ちや歴史が自由の国とも呼ばれるアメリカの多民族社会(人種のるつぼとも言われる)のひずみをそもそも抱え持っており、法や制度では解決しない根深さだ。

 

それに比べて、日本という国は西洋人からは東洋のサル扱いをされているにも関わらず、西洋人信仰が未だに強く、同じアジアの他国民を差別するくらいの幸せな人たちだ。

 

こんな状況では怖くてアメリカには行けないが、このアジア人ヘイトの背景にトランプ氏が散々言っていた新型コロナウイルスが中国の陰謀だ的な部分があるとすれば恐ろしい。

 

それが人為的なものだったかどうかは今となっては闇の中だが、中国の武漢で発生したとされる新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、中国だけが社会主義的な徹底した対策の結果、経済的な被害から立ち直りつつあり、それが米中の軍事的バランスにも影響していることを考えると、世論がチャイナヘイトに傾き、中国人と韓国人と日本人の区別もつかない大半のアメリカ人のアジア人ヘイトに繋がっていると考えられなくもない。

 

レイシズムもジェンダー差別も、根本は人間の好き嫌いや相性の問題だと言える。

 

どんな人間にも好き嫌いや、相性の良い悪いという問題はあり、それをいくら法や制度で縛ってみても本質的な好き嫌いを変えることは出来ないという悲しい例がアメリカという国だろう。

 

日本人はアメリカ人と比べれば言いたいこともあまりはっきりとは言わない性質なので、今まであまり問題になることがなかったのかもしれないが、今のようにSNSが普及した時代では、ちょっとした迂闊な発言でも揚げ足を取られてしまうので、気をつけなければならない。

 

どんなに嫌いで死んでくれれば良いと思う相手が居たとしても、その事を全く表現せず、差別を具現化しなければ、どんなに人を憎んでも構わないという風潮になるのが最も恐れるべき未来だ。

 

私自身も好き嫌いはもちろんあるし、私のことを好きな人も嫌いな人も居るだろうが、究極的には人種や性別を超えて、人間というカテゴリーの生物としてはそんなに変わらないという風には思っている。

 

世界で実際にいろんな人たちと交流した経験から感じる本音だ。

 

好き嫌いの表現を、何らかの権力によってあまりにも抑圧されると、人間の差別的憎しみは内面でより増大して、何かのきっかけで爆発してしまうし、犯罪と同じで取り締まりが厳しくなると見つからないように陰に隠れてやってしまう。

 

「嫌いと言ってはダメ」というルールがあるとすれば、「好きと言わなければダメ」というルールも有るべきだろう。

 

ヘイトや差別は何らかのペナルティーに直結するが、愛してるや好きの表現がポイント(得点)にならないというのは残念なことだ。

 

世界中のひとが劇場版鬼滅の刃「無限列車編」を観て、「人よりも強く生まれた理由」について理解し、「約束のネバーランド」にあるような人間を捕食する鬼と餌である人間の調和と共存について考えたりすれば世の中は少しはマシになるのではないかという気がしなくもない。

 

今の日本の報道で「しくじったひと」を袋だたきにする風潮は、ちょっと見るに堪えない。