FPI(フレンズプロビデント)やRL360(ロイヤルロンドン)、ITA(インベスターズトラスト)などのオフショア積立プランを現在契約していて、停止や減額、はたまた損をしてでも解約したいと考えているひとに読んでもらいたい本音の記事を書きたいと思います。
何らかのきっかけや縁で、上記のようなオフショアの保険会社が提供するいわゆるオフショア籍の積立型年金プラン(セービングプラン)というものを始められた方で、何らかの理由で積立を止めたいとか、解約したいという愚かな方は常に居られます。
そういった方に、論理的な説明は殆ど無意味なように感じられ、そもそもなぜ長期積立の契約をされたのか?その理由を真剣に悩まざるを得ません。
契約をされるときにはそれなりの目論見があり、気分が盛り上がっていたのでしょうが、それが今は冷めてしまったとしても正気の沙汰とは思えません。
まあ、結婚も同じようなもので、この人と一生を共にすると誓って結婚しても半分くらいが離婚してしまうことを考えると人間などそんなものなのかもしれませんが、離婚してでも積立は止めるべきではありません。
離婚しても金銭的な損が両方もしくは片方に出ることは出ますが、それは前向きにそれぞれが別々の人生を歩んで行くためのコストだと考えることができます。
しかし積立を止めてしまうことは、その理由が何であれ、その後に前向きな何も生み出すことはないばかりが、第三者的にはそのひとの将来になんら期待を見いだすことすらできません。
積立NISAやiDeCoのようなクソみたいな将来何の役にも立たない積立投資ですら、おそらく40年とか続けられるひとは皆無に近いでしょう。
ここで知っておいて欲しいのは、それを作っている人たちも売っている人たちも、それをわかっていてそういう商品を手数料目当てに売っているということです。
中田敦彦の「YouTube大学」的に言えば、投資商品の販売者はすべからく「手数料ハンター」だからです。
2010年頃にフレンズプロビデントがMLM的に盛り上がっていた時代には、正しい説明を受けずに2年間だけやって止めればいいとか、年10%以上の複利のチャートを見せられて5万円の積立を30年やれば1億円になるという夢を見せられたりした方も多かったともいますが、さすがに最近はもう少しまともな説明をIFAから直接受けておられる方も多いはずです。
いずれにしてもレベルの低い販売サイド(無責任紹介者)の方の乱売によって国際的には名の通ったRL360のような一流企業のブランドに結果として傷が付くのは残念な事です。
折角始めたのに、25年の契約をしておきながらわずか数年で減額したいとか停止したいとか、最悪は解約したいと言うかたの建前上の理由は、様々な生活環境の変化によって基本的に「お金がない」という場合が多いようです。
結婚、出産、離婚、子供の教育、子供の進学、病気、親の介護、失業、転職、起業、別の投資での失敗など、お金が必要になる事は生きている限りいくらでもあります。
それを理由に20年以上先の老後の資金として積立をしていた証券に手を付けてしまうと、自分の将来を支えてくれる最後のセーフティーネットを失ってしまいます。
もちろんそんなことは分かっている。でも現実は収入と支出を考えてとても続けられない・・・。
やる前に分かっていた筈ですが、現実は甘くありません。
月に5万円~10万円という積立投資を20年以上続けることは、現実問題として普通の会社員の方にとってはそれほどたやすくないでしょう。
しかしながら、それすらできない人たちがそれ以外のことで将来偶然救われる奇跡が起こるとは残念ながら私には思えません。
容易でなくとも、それくらいを続けられないひとに利殖で生き延びる術はありません。
積立を止めようと思うときには、そのことをもう一度考えて見て欲しいと思います。
また、誰かにそそのかされて解約金を年30%とかのハイリスクな案件に投じてしまうという場合もありますが、有り金をギャンブルに突っ込むようなものです。
運用について不満のある方が、心が折れて止めてしまう場合もありますが、最初の5年間くらいは手数料の負担比率が大きく運用はプラスが出にくいものです。
10年くらい根気よく積立を同金額で続けていれば元本を割ることはほぼほぼ無くなります。
さて、現実的に積立の停止や減額、解約を思いたった時に、相談する相手は最終的にIFAと呼ばれる海外の仲介代理店の窓口になると思いますが、そこにたどり着くまでにまずもともとその商品の事を教えてくれた紹介者や知り合いの方にコンタクトを取ろうとするかもしれません。
多くの場合、5年以上前にそのような耳寄りな情報を持ってきてくれた奇特の方は、コンタクトを取ろうと思ってもどこに居るかも分からず繋がらない場合が多いでしょう。
特に、解約の手続きは面倒くさいので、IFAや直轄のサポートセンターでなければ、個人のアドバイザーや単なる紹介者の方ではなかなかちゃんと手続きしてくれずたらい回しになることもざらです。
ますます被害妄想に陥って、自分は騙されたと思うかもしれません。
そいういうふうな目に遭うという運命は、契約時にIFAと直接やりとりをして事後のサポートについても確認して契約していない場合、実は契約の時点から決まっていると言えます。
ですので、これから契約される方は「どこの誰と契約するのか?」まずはそこに注意すべきでしょう。
情報を提供してくれるだけの中間の人間(無責任紹介者)には、あなたの契約に関するフォローの責任は全くないと考えなければなりません。
所詮IFAの人間であったとしても、「手数料ハンター」であることに変わりはありませんが、その先の全く責任のない純粋な手数料ハンターから買わされるよりはまだマシです。
仮にRL360のクアンタムやRSPといった積立ファンド商品の停止や減額、解約などの手続きに関して、担当の海外IFAの窓口に無事にたどり着いたとしても、どのような事を言われるかはほぼ予想がつきます。
たとえば、
「手数料の構造上停止や減額をすると、手数料負担が大きくなり運用の足を引っ張り損です。」・・・とか、
「解約をすると、将来に渡って契約期間満了までに徴収される予定であった手数料に該当するペナルティーが差し引かれて損がでます。」・・・などです。
ところが、「お金がない」という理由で積立を止めようと思っているひとの頭の中には、明日のお金の事しかなく、損やペナルティーなどどうでもよく、いくらの現金が手元に帰ってくるのかしか興味がないかのように感じられます。
正直、お金が無くて解約や引き出しをしようとしている人にとって、専門家が冷静に手数料の構造について今更説明してくれたところで心に響くわけもありません。
ITA(インベスタ-ズトラスト)のエボリューションやS&P500インデックス場合は、ほぼ最初の2年間に支払って買い付けたファンドの時価総額が解約すれば丸々失われます。
それが分かっていながら、2年以内に1円も返って来ないのに解約してしまう人も居ます。
それ以外のFPI(フレンズプロビデント)のプレミアやRL360(ロイヤルロンドン)のクアンタムやRSPの場合は、解約ペナルティーは解約時の契約残存年数によって異なりますが、初期ユニットと呼ばれる最初のおおよそ2年間に買い付けたファンドの時価総額に対して、契約残存年数が少なくなるほど解約ペナルティーとして差し引かれる額は徐々に減少してゆき、満期でペナルティーは消滅します。
停止や減額が損になるという根拠は、初期ユニット(大抵は最初の2年間に買い付けたファンドの時価総額)に対して大抵は6%の手数料が契約満了まで取られ続けるシステムにあり、これは初期ユニット以降の部分にはかからないため、単純に4年間やれば4年分に対して6%は3%に薄まり、8年間やれば8年間の総額に対して1.5に薄まり、10年間同額で継続して払い続けた場合には全体の時価総額に対してかかる手数料の負担率が1.2%まで下がるにも関わらす、例えば2年で止めてしまった場合には2年分に対して6%取られ続けるので、これにファンド管理手数料のの1.5%とポートフォリオサービスの1%の2.5%を足せば、年8.5%以上の運用がなければ増えないという事になるわけです。
この手数料が高いのかどうか?という部分に関しては、10年以上継続するという前提ではそれほど高いとは言えませんが、10年経つまでは結構負担が大きいので運用総額は思ったより増えないというのが現実でしょう。
それでも、特にマン島籍の残された最後のオフショア積立プランRL360のRSPは十分商品としては魅力のあるものである事は事実です。
これらは、契約の時点で明らかに分かっていることであり、その説明を受けていないとすればそのことに問題があると言わざるを得ません。
しかしながら、私が知っている方々でも、IFAから直接このような商品の概要説明を受けているにも関わらず、それでも5年も経たずに停止や減額、最悪は解約までしようとされ方は居られます。
分かっていても、止めてしまおうという意志は固く、IFAから改めて手数料構造の話を聞かされても大抵は上の空といった感じです。
ここで顧客の心理と、IFAのアドバイザーの心理は別次元で食い違っていると言わざるを得ません。
顧客はおそらく、自分が長期積立の契約をしてしまったのは間違いだったという思い込みから、解約ペナルティーを払うのは仕方がないという論理に陥っているのでしょうが、多分その顧客が契約したことは間違いではないのです。
契約期間が長くならざるを得なかったのは、あなたが今投資に回せるまとまったお金を持っていないからで、そうだとすればそれしか方法は無いので、それも正解です。
できないような契約をしてしまった自分が間違っていたわけではなく、その後に継続することができないと思い込むようになってしまった自分がもしかすると間違っているのです。
そもそも多くの優秀なアドバイザーは、投資を止めようとしているひとを説得して止めるような無駄なことはしません。
投資の熱が冷めている、「カネのない」、もはや投資家ですらない客が、どんなに損をしようが、将来生きていけないどつぼにハマろうが、優秀な頭の良いアドバイザーにとっては何の得にもならない既に死んだ客だからです。
金融業界では、今やビルから飛び降りて自殺を図ろうとしているひとを目の前にして、「早まるな!死に急いではならない!」と言って、良心的に自殺を止めるようなことはしないのが普通です。
金融業界でそれを防ぐ機能は、商品に組み込まれた金銭的な早期解約ペナルティーしかなく、しかもそれは投資家を守るためのものではなく、保険会社を守るためのものです。
紹介者やアドバイザーにとっては、新たにカネを落としてくれる可能性がある投資家だけが大切であり、カネのない既に死んでいる投資家がどうなろうと自分には関係の無いことなのです。
一方、仲介責任のあるIFAにとっては、顧客がドロップしてしまうことの金銭的デメリットが少しはあることと、契約責任があるため、会社によって差はあるもののそれほどドライに自殺者希望者を放置したりはしないようです。
それでも、IFAの立場で言えることは、「あなたが自殺をすれば、このような不利益があなたやあなたの家族に及びますよ」といった極めて事務的な説明に終始しがちです。
あなたがあなたの投資契約を解約することについて、ヒューマニズムに溢れたウェットで愛情溢れる意見を業界関係者に求めることは、難しいというかほぼ不可能と言ってもよいでしょう。
金融業界というのはそういうどこまで行ってもドライな「氷の世界」なのです。
もし私が、金融業界のどこかに属する人間の立場ではなく、ひとりの人間として、積立を止めようとしているあなたになにか言えることがあるとすれば、「生きたければ死んでも止めるな」という言葉かもしれません。
たとえ、離婚しようとも、子供の教育費を削っても、親の介護を放棄しても、妻や旦那を質に入れてでも、自分が生きたければ続けるべきでしょう。
それくらいの根性がない人はヒューマニズムのかけらも無い投資の世界で生き残ることはできません。
命がけの金融サバイバルは、時に家族をも犠牲にする決して甘くないものなのです。
金融界に属する者の冷酷で一般的な意見を言うとすれば、
止めたければどうぞお好きに。
でも2年以内は手数料の戻入がある場合があるので止めないでね。
停止でなくてできれば解約しちゃってね。 そのほうが縁が切れて楽だから。
解約していくらかお金が戻って来たら別の何かに投資してね。
また新たに手数料がもらえるので。
みたいな感じでしょうか・・・。
くどくなりましたが、本心から止めないでいただきたいと願っています。