もう2週間ばかり前の話だが、今月(2017年3月)になって香港のハンセン銀行(Hang Seng Bank)で金(ゴールド)を購入するにはハンセン銀行の口座を保有していなければならなくなった。
以前であれば、現金を持ち込んで最大10万HKドル(およそ150万円)までは窓口で購入する事ができたのだが、なぜか突然ルールが変わり、口座を持っていなければ買えなくなった。
それに伴い、金(ゴールド)を買うためにハンセン銀行の口座を開設しようとする日本人が増えたようだが、最近の傾向ではハンセン銀行の口座開設はHSBCよりも英語のチェックが厳しくなっているので注意が必要だ。
口座の開設理由も、「金を買いたいから」というのではどうもよろしくないようだ。
資産の移転や、投資全般に興味があり、相応の資金を長期的に寝かしてくれる顧客でなければハンセンにとっても魅力がないということなのだろう。
また、現物の金を購入したひとが、それを日本に持ち帰らずに、香港の銀行の貸金庫にそれを保管したいという要望も多いようだが、HSBCやハンセン銀行のsafe box(貸金庫)の空きはなかなかない。
safe box(貸金庫)に関しては、HSBCでもハンセンでも予約はできないので、頻繁に通って空きがあるかをその都度尋ねて、空いていれば即確保するしか方法はない。
日本人は現物の金が好きなひとが多く、消費税のかからない香港で現物の金を購入するのはメリットもあるが、日本への持ち帰りに関しては、1KGまでは持ち込み資産申告の義務がないものの、それ以下でも税関で消費税8%の対象になるので注意が必要だ。
1オンスの値段が1,250USドル近辺の今が、金の買い時かどうかはわからないが、金投資の好きなひとは、1オンス=1,800USドルくらいにはいずれなるだろうと考えているひとが多いように思う。
だが、現実には2012年に1,800ドル近辺まで上がった金の値段は、2013年に1,400ドルを割ってから現在に至るまで一度も1,400ドルを越えていない。
ハンセン銀行で購入可能な、1オンスのナゲットコインなど現物の金は、トレードには不向きなので、購入される方は長期保有を考え方が良いだろう。
10年先を考えた場合、現物の金のポートフォリオも非常事態用に持っていて良いように思うが、購入する場合には、なるべく1オンス以下のコインにした方が運びやすいし、小分けで売りやすいので良いかもしれない。
1,200ドル以下で購入し、1,400ドル以上で売るといった純投資目的であれば、HSBCで購入可能なペーパーゴールドの方が、ネットで売り買いできるので便利なように思われる。