ロイヤルロンドン(RL360°)の合法的な購入方法 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!





どういう目的かはともかく、オフショアの投資商品を買おうとする人が、こういう議論において他人の意見に左右されること自体が馬鹿げていると思いつつ、情報の混乱を避けるため仕方なく書こうかと思います。




マン島の金融商品プロバイダーRL360°(通称ロイヤルロンドン)やケイマン島のインベスターズトラスト(通称ITA)などが提供する商品は、日本で金融庁登録されていない未認可商品ですが、香港においても同様に認可を受けていません。




これは、日本においても香港においても物理的にその国で勧誘や、販売、そして契約仲介という業務が行えないことを意味します。




このそれぞれの国の業法については、主に販売サイド(IFA)を規制する趣旨が濃く、購入者を規制するものでは無いと基本的に考えられます。




ですので、これらの商品を契約する際に、ブローカー(販売)サイドが香港現地で契約書にサインをさせるのは香港の金融業法的にはよろしくありませんし、もちろん日本でも未登録の金融商品ですから、日本国内の業者が日本国内で書類にサインをさせる行為にも違法性が認められます。



じゃあいったいどこで契約書にサインすれば合法なのか?

これは、業者が契約者にサインさせる行為をどこで行うかが問題なのであって、契約者自身が手に入れた契約書にどこでサインしようが違法性はありません。


特にそれぞれの国において、それぞれの国に居住し、それぞれの国の業法に規制される対象顧客に対して営業行為を行うのは明らかに、それぞれの国において業法上の問題があると言えます。




日本に居住する方が、このようなどの国においても登録認可を受けていないインターナショナルバージョンと呼ばれるのオフショア投資商品を契約するパターンは、以下の3つに分類されます。




a) 日本の業者経由で日本国内で契約書にサインする


b) 海外の業者経由で日本でサインをする


c) 海外の業者経由で海外でサインをする




日本の業者であれ、海外の業者であれ、日本国内で営業したり販売したりすることはできませんので、勧誘を含むそのような行為が行われない前提で考えると、契約者がローカルの業法に抵触するという問題は上記いずれの場合もそう問題が無いように思われます。




契約者側は問題が無くとも、a)とc)に関しては、業者側に現地国の業法に抵触する問題が生じることになります。




この問題は、仲介をするIFAと呼ばれるブローカーが、どの国において物理的に契約を締結するかによって、ブローカーの合法・違法性に関わる問題であって、契約者の関わる問題は小さいということをまず理解すべきでしょう。




しかしながら、契約の成立がどの時点で成り立つのかを厳密に考えてみると、サインをした時点なのか、そのサインをした書類がマン島なりケイマン島で受理されて承諾された時点なのかはどうもはっきりしません。




一般的には、クライアントが契約書にサインをした時点で契約は締結されたとみなされるようですが、インベスターズトラストのように、“サインを必要としない”オンライン契約が成り立つ場合については、データの入力をしたパソコンのサーバーが所在する場所が契約地ということになるのでしょうか?




ご存じのように、皆さんが日本に所在するPCからアマゾンで購入しているものは、日本で買っている事にはなっていません。



アメリカのamazon.comから購入していることになっています。



なので、アマゾンは日本で法人税を払っていません。




そういった意味では、インベスターズトラストの場合、どこの国からアクセスしていようが、クライアントはケイマン島の investors-trust.com からダイレクトに購入していると考えられるので、完全な合法クロスボーダー取引です。



しかも、インベスターズトラストは購入できない居住地を明確に示しているので、例えば香港、アメリカ、ケイマン島などの住所証明ではオンラインですら申し込み自体ができません。




RL360°(ロイヤルロンドン)の場合は、契約を完成させるためにはプリントアウトされた契約書類にサインをして最終的にはマン島のRL360°に物理的に郵送で届けなければなりません。



RL360°の場合、いちばん理想的なのは、クライアントがRL360°から直接申込書を郵送かメールで受け取り、それに日本でサインをして自分で海外のIFA(仲介ブローカー)に送り返すという方法ですが、残念ながらRL360°直接申込書を手配してくれませんし、もちろん商品に関する説明もしてくれません。



ですので、海外の正規ブローカーに直接こちらから連絡を取って申込書を入手し、それに場所はどこででも良いから自分で記入及びサインをして送り返すという方法が、売り手にとっても買い手にとっても最も合法的な手段となります。




ここで、さらに話しをややこしくするネタとして相変わらず存在する、RL360°やITAが提供する商品で死亡保険が1%付いたものが、日本の業法上“生命保険”なのか?“投資商品”なのか?という馬鹿らしい見解議論についてもう一度解説しておきたいと思います。




繰り返し申し上げておきますが、この件をいくら金融庁や財務局に問い合わせて言質を取ろうとしても時間の無駄です。



金融業法を専門とする弁護士でも、文書で明確な回答を出すことはかなり嫌がるはずです。



そもそも、海外においては生命保険もれっきとした投資商品という認識であるのに対して、日本では保険商品と投資商品が別物であるという歪な認識が一般常識化しているところに落とし穴があるような気がします。



これは私の個人的な見解ではありますが、生命保険というものの本質は、被保険者の死亡というトリガーによって、その時点の支払い掛け金の額に関わらず、契約に定められた確定死亡保障額以上のものが指定された受取人に支払われるという部分であると思います。



そのような観点で見れば、RL360°やITAが提供する保険が1%付いた商品は、被保険者の死亡時に支払われる死亡保障額は、被保険者死亡時の証券時価総額に対して101%ですので、いくらかは全くわかりません。



もしかすると、支払った総額よりも小さい額かもしれません。



これは、相続対策として簡易に信託性を持たせるために、敢えて保険証券という形を取っている(おそらくマン島発祥の)保険ラップという慣習に過ぎないと言えます。



それでも、保険会社が提供する保険証券であるから保険であると言えなくもありません。



そうのような意見は、まるでイルカや鯨が、海にいるから魚類であるというような主張に近い感じがしますが、金融商品に関してはそれぞれの国の業法によって定められる商品のカテゴリーについて、ある国ではイルカを魚類と分類し、ある国ではほ乳類であると規定するような場合があり得るので、結論ははっきりしないのです。



購入者側が考えなければならないのは、このような答えのない論争ではなく、もう少し現実的な部分にあると思います。



それが良い商品なのかどうか?自分はそれを必要としているのか否か?



中国製のものは100%信用できないと思い込んでいながら、現実にはユニクロで服を買うような人には向いていません。



投資商品には国内のものも海外のものも全てが悪いわけでも良いわけでもありません。



国内で(合法的に)売られている商品だからといって、100%良いものだとも言えないし、海外の法的にグレーな商品であっても100%悪いものというわけでもありません。



100歩譲って、RL360°やITAが提供する商品が保険商品だとすれば、それを日本居住者が日本の保険業法上合法的に購入できる方法はありません。



SUNLIFE香港が提供する、香港で認可を受けた生命保険は、日本居住者であっても香港現地でサインをすれば購入する事が可能ですが、これも日本の保険業法上は合法と言えません。



あくまでSUNLIFEが、香港の業法上自分たちに問題が無いように、無理矢理香港滞在中に契約したものとみなしているに過ぎません。



日本の保険業法上は違法だとしても、売ってくれる会社があるだけまだマシです。



海外の保険を合法的に購入するには、海外居住者になるしかありません。



ちゃんとしたビザを持って、海外に居住している間に加入するしかありません。



残念ながら、運良く会社の出向などで、海外居住者扱いになっているひとたちが、この絶大なチャンスに気付く場合は殆どありません。



香港に出向している日本人ですら知らない場合が多く、とても残念な感じです。



海外に居住しながらも、日本の生命保険の保険料を払い続けているひとが多いのには驚かされます。



長くなってしまいましたが、「海外の投資商品を合法的に購入する方法」として最も重要なのは、「自分が直接海外に買いに行くこと」であるいう風にとまとめることはできると思います。



それは、必ずしも物理的に海外へ飛行機に乗って買いに行く必要は無く、ネットを通じて直接自分が海外のIFA(仲介ブローカー)にコンタクトを取ることが、販売者、購入者双方の合法性を維持する上で重要だということです。



そして、見解のはっきりしないグレーゾーンの商品に関して、日本の保険業法なる悪法にあまり惑わされるべきではないような気がします。



もしかすると、香港で生命保険だと認識されているSUNLIFEの保険ですら、日本ではあり得ない運用性の面から見て、日本では投資商品であるという主張さえ可能かもしれないのですから。




また、最後になりますが、ファンドの選択やスイッチング管理を一任する、いわゆる「ポートフォリオサービス」というものを、どこの国の会社がどのような金融ライセンスをもって、どの国でも販売認可のないオフショアの投資商品に関して提供できるか?という課題はさらに複雑です。



香港で認可のないRL360°やITAに関して香港でSFCやPIBAのライセンスを持った会社がポートフォリオサービスを提供することが違法か合法か?という議論に関しては、そもそも香港の業法では香港で未認可の投資商品に関して運用管理を一任するポートフォリオサービスの提供に関して規制することはままならず、ライセンスの問題ではないかもしれません。



どちらかと言えば、RL360°やITAといった商品の提供会社が、どのような基準で商品の仲介や、ポートフォリオサービスの提供が可能なIFAを選択するかという問題のように思います。



日本の投資助言の会社が、RL360°やITAのポートフォリオサービスを提供可能かどうか?という点に関しては、一任勘定でないアドバイス(助言)に留まるのであれば可能と言えるような気がします。



もちろん、仲介や販売は問題があります。