HSBC中国のスペシャルRMBアカウントについて | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!


【HSBC CHINA SPECIAL RMB Account】というものについて記録しておきたいと思う。


あらかじめ言っておくと、これはHSBC中国シンセンの口座を持っている香港(もしくはマカオ)IDもしくはパスポートで香港に居住する人にのみが活用できる口座です。


香港居住のHSBC中国口座保有者は、香港IDカードと香港の住所証明を中国の支店に持って行けば、口座番号が054で始まる「Special RMB Account」というものを作ることができるらしい。


通常の人民元普通預金口座は050-で始まるもので、そこに一旦入ってしまった人民元は、香港を含む海外への送金ができず、USドルや香港ドルなど他通貨への両替もできない。


つまり、流動性の無い口座資金となってしまう。


もちろん、ユニオンペイ決済システムを使ったATMカードによる現金の引き出しは海外でも可能であり、海外ではその国の通貨で現金を引き出すことが可能ではある。


ご存じのように、香港のHSBCでもRMB(人民元)口座を開設することが可能であり、そこから中国に人民元で送金することが可能となっている。


しかし、中国から香港へのRMBによる送金は、香港から送金した額に限定される。


この054で始まる「Special RMB Account」を中国の口座で持つと、香港の口座と中国の口座間でのRMBによる送金は、制限はあるものの極めて流動的になる。


香港HSBCのRMB口座→中国HSBCのSpecial RMB Accountは、1日上限8万RMB=約150万円までインターネットバンキングで可能。


中国HSBCののSpecial RMB Account→香港のHSBCのRMB口座へは、1日上限5万RMB=約95万円までインターネットバンキングで送金可能。


これに、どれほどのメリットがあるのか?ということは、あまり理解されないかもしれないが、非常に有益なものだと言うことができる。


人民元の金利は、引き下げの方向にあると言われてはいるものの1年定期で3%以上、5年定期で4%以上の金利が付く。


これは、中国国内の銀行で定期預金をしたときにのみ適用され、同じHSBCでも香港やシンガポールのRMB口座ではたいした金利は付かない。

(香港HSBCの人民元口座で12ヶ月定期の金利は0.5%程度。)


世界中の投資対象となり得る通貨の中で、為替が切り下げになるリスクがこれほど低く、同時にこれほどの金利が付く通貨は人民元しか存在しない。


但し、一旦人民元で持ってしまうと、流動性を失う。


これは、中国政府が自国の人民元という通貨が海外からの投資の対象となり、バブルが発生するのを防ぐために、海外からの投資資金の流入を限定し、流通をコントロールしているからに他ならない。


しかし、香港(マカオ)と中国(シンセン)の間に於いては、このような特例的流動措置が既に取られており、香港人(もしくはマカオ人)が中国の口座でこの054で始まるスペシャルアカウントを持つことによって、香港にある外貨をRMBに両替して、中国に送金し、有利に運用して、必要なときには上記の上限に従って香港に戻し、HKDやUSドル、日本円にも両替することが可能なのだ。


このスペシャルアカウントのすばらしさは、なかなか日本人には理解してもらえそうにない。

いずれにしても香港かマカオのビザを取って居住者にならなければ持つことのできない口座ではあるが・・・自分にとっては魅力的だ。