今回のアブラハム事件で、ハンサードのアスパイアという積み立てプランを同社で契約している人が、他社への代理店(IFA)移管を希望するケースが多発すると予想されますが、結構めんどくさそうです。
この場合、投資助言代理業のアブラハムプライベートバンクは代理店(IFA)ではなく、同社が海外に設立したSTIというBVI法人(ペーパーカンパニー)が正式にハンサード社と契約をしている代理店(IFA)という事になりますから、「STIからどこか別の会社(IFA)に移管をする」という話になります。
移管を希望する場合には、まず移管先を見つける必要があります。
移管先のIFAは、ハンサード社と正式に仲介契約を締結している日本以外の外国の会社になります。
ハンサードの流通は、主に日本国内のFPや投資助言業の会社、もしくは全く無資格の個人が窓口となっている場合が多く、実際のIFAは香港以外のオフショアに登記された会社で、しかも多くは実体のないペーパーカンパニーという状況でした。
いわゆる典型的な、EXPAT(外国居住者)つまり日本に住んでいる外人向けのインターナショナルビジネスモデルを継承してるところが殆どです。
タイに移転したメイヤーや、シンガポールに移転したアミチ、廃業したコンパスなど外人が経営していた大手の助言会社がこのパターンでした。
アブラハムとほぼ同時に行政処分の勧告を受けたIFAジャパン、K2インベストメントもビジネスモデル的には同じですが、アブラハムの場合はSTIというBVI法人を独自で設立し、そこが代理店としてプロバイダーと直接仲介契約を結んでいた点が異なります。
さて、問題は今後どこがハンサードの移管を受け入れてくれるかです。
今回のようなことがあって、実質上国内の窓口となっている会社が、移管を受け入れると宣伝することもかなり業法上リスクが高い事なので、そんなアホなことをするところも無いでしょう。
実際、海外のIFAでどこかハンサードの移管を受け入れてくれるところは無いか?と尋ねられてもパッと思い浮かぶところがありません。
移管後にだれがどこでどのようにサポートしてくれるのか?ということを考えると、より難しい気がします。
メンドクサイから解約してしまおうというのも、最初の24か月間支払った分が帰ってこないことを考えると明らかに損です。
メイヤー、アミチ、ヘンリー、ピナクル、香港ならばアテナベスト、ノーブルエイペックスなどに聞いてみるのが良いかもしれません。
全てではないにしろ、受け入れてくれるところはあるかもしれません。
あくまで移管の受け入れは、受け入れ側IFAの判断なので、その辺も難しいところです。
もし、移管が困難であった場合、最終的な泣きつき先はハンサード社本体という事になるでしょう。