フレンズプロビデントは違法? | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

フレンズプロビデントが日本居住者の新規受付を停止してから1年が過ぎ、以前はもっと深いレベルで議論されていた業法論が、最近では保険付きが保険業法違反であるという偏った情報ばかりが目立って、そもそも海外の投資商品を購入する場合の包括的な業法や税法の見方が欠如してきているように感じますので、ここで改めて意見を述べさせていただきます。


フレンズプロビデントやハンサード、ロイヤルロンドン、ジェネラリやスタンダードライフ、アジアス、インベスターズトラストといったオフショア積み立てプラン(Savings Plan)をやっておられる方がよく懸念される要素は、以下の2点に集約されるような気がします。


1)法律上の違法性はないのか?


2)税務上の問題はないのか?


1)の国内金融業法については金融業法に詳しい弁護士、2)の税務については国際税務に詳しい税理士の見解をちゃんと聞くべきだと思いますが、私個人が長年にわたって顧問になって頂いている弁護士と税理士から得た情報と見解をもとにした私の理解は以下の様なものです。

あくまで個人的な理解ですので絶対に正しいというものではありませんが、参考までに。


まず、フレンズプロビデントやハンサードのような、外国籍の保険会社が提供している、日本では未登録の金融商品については、販売する側は金融商品取引法や保険業法によって規制されます。


ファンドなど投資商品であれば金融商品取引法、生命保険であれば保険業法の管轄になります。


ここで、保険の1%付いたホールライフ型(Whole Life)と呼ばれるものが国内法上「生命保険」と規定されるかどうかが問題となりますが、生命保険だとすれば保険業法上、販売者はもちろんのこと、加入者も保険業法第186条2項によって規制を受けます。

「海外の生命保険に加入しようとする者は、内閣総理大臣の許可を得なければならない。さもなくば50万円以下の過料に処す。」というものです。


保険業法上の生命保険とは何かを規定する法律は、保険法になると思いますが、死亡解約時にその時点の時価総額に対してプラス1%を保障する海外の金融商品が保険法上、生命保険であると明確に規定できる部分は見当たりません。


この部分については、一般的には、明確でない=グレーという認識ではありますが、フレンズプロビデントなどが提供している一般的な時価総額の1%を保障するホールライフ型は、そもそも時価総額が保証されている訳ではありませんから、論理的に金額では1円も死亡保障としては保証されていないと言えます。


死亡時に発生する死亡保障部分は、死亡時の投資証券の保証されていない時価総額に対して1%ですから、確定的な死亡保障金額が死亡時に1円でも保証されている保険法上の生命保険とは性質を異にすると言わざるを得ません。


ですので、保険の付いたホールライフであろうが、保険の付いていないCR(キャピタルレデンプション)であろうが、いずれも本来は金融商品取引法によって規制されるべきものであると思われます。


ちなみに、税法上は、「海外の生命保険の受取金」という明確でかつ不思議な課税規定がありますが、保険業法で加入が規制されていて、実際には合法的に加入のできない海外の生命保険の受取金に税務上のカテゴリーが明確に規定されているというのは興味深い点です。

少なくとも、加入者が居ることを税法上は前提としているようです。


しかし、税理士の見解では、ホールライフ型であっても、投資金の100%が外国籍の投資信託に投資されるこれらの商品の課税上のカテゴリーは、「外国籍投資信託」であろうということです。


だからといって、税法上の見解は業法上の見解とはかい離したものですから、業法上生命保険ではないという根拠にはなりません。


結果として、どの法律に於いても明確に規定はできないので、グレーという話になってしまします。

フレンズプロビデントとハンサードにだけ存在する、保険の付いていないCR(キャピタルレデンプション)=償還型債権という商品については、疑う余地も無く外国籍の金融商品であり、金融商品取引法の管轄ですが、ホールライフに関しては、グレーだとすれば金融商品取引法で規制することもできないのではないか?という可能性もあります。


フレンズプロビデントなどが提供する、ホールライフ型が生命保なのかどうか?という考察だけでもこれだけ複雑な話ですが、話を金融商品取引法の管轄であるというところに絞り込んで続けたいと思います。


金融商品取引法上は、日本で登録されていない海外の投資商品を日本国内で日本居住者向けに販売することは違法になりますが、購入する方は、日本居住者であっても違法ではありません。


長くなってしまいましたが、それがホールライフであろうが、CRであろうが購入者に違法性は無いと言って良いように思われます。


ですので、既に購入をしておられる方はご安心頂いて良いと思います。


今後、購入される方についても、それがハンサードであれロイヤルロンドンであれ、自分が直接代理店(IFA)にコンタクトをとって購入される場合に於いて、購入者である自分には違法性は無いと言えます。


海外の会社(個人)であっても国内の会社(個人)であっても、日本居住者に対して国内未登録金融商品を販売する(勧誘)する行為に関しては、販売者側に金融商品取引法違反の恐れがあります。


この販売者側の違法性については、国内で如何なる金融庁管轄の登録を受けたものであっても、商品が国内に於いて未登録の商品である場合に於いては変わりがありません。


良く聞く「うちは金融庁の登録業者であるから大丈夫」とか、「うちは海外の会社なので関係ない」という論理は、これら国内未登録の海外金融商品の日本居住者への販売という観点からすると、いずれも金融商品取引法の規制を免れ得るものでは無いと言えます。


現実には、販売や勧誘行為と言っても、具体的な証拠などがなければ、販売や勧誘の事実を特定することは容易ではなありません。


この部分については、「販売された」とか、「勧誘された」とか感じる顧客の主観に最終的には委ねられる傾向が感じられます。


とはいえ、そういった基本的なガイドラインを大幅に外れておおっぴらに営業活動を行う者から商品を購入するリスクは、投資商品という商品の特性を考えると高いと思われます。


税務についても、多少の混乱が見受けられますが、業法の問題よりははるかにクリアーであると思います。


これにつては次章で述べさせていただきます。