長期積立を勧めない人たちの考えとは? | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

最近の業界の傾向として、一部の人たちが長期積立を勧めない、もしくは長期積立を否定する傾向にあるというのを懸念しています。


何度か記事に書いたこともありますが、2008年のサブプライムショック発生以前には、一括投資が巷では主体でした。


そのプレ・サブプライムの時代では、国内投資、海外投資に関わらず、投資をする人は投資可能な流動資産を持った人たちが主体で、投資経験のある人が大半でした。


そういった人たちは、自分の資産力に絶対的な自信を持っており、バブル以降生き残ったもしくは成り上がったプチ富裕層が多く、積み立て投資のようなチマチマしたものに興味を示しませんでした。


しかも、2000年以降サブプライムショックが起こる寸前まで、BRICSを代表とする新興国のファンドは普通に年20%くらい成長してきたわけですから、あほらしくて積み立てなどやっておれません。


ところが、サブプライムショック以降、そういった人たちが一括で持っていたポジションは一挙に半分近い価値になってしまったのです。


多くの人たちが、動揺し狼狽し、そのマイナスの状態でロスカットをやむなく行い損を確定しました。


ポートフォリオサービスに依存していた人たちは、その成績に憤り、ポートフォリオサービスを解約したひとも多かったと思います。


実際にはそのままにしておけば、2年でポジションはもとに戻ったにも関わらず、大半の人がその精神的プレッシャーに耐えきれず解約や、ポートフォリオ変更など良くない判断をして損を確定したのです。


もちろん、私は自分の知り合いにはそうしないことを勧めましたが、聞き入られることは殆どありませんでした。


サブプライムショックを跨いで、もっとも安定した利益を得ることができたのは、チマチマと積立をやっていた人でした。


しかも、その時点でのマイナスには一切惑わされず、ただひたすら盲目的に積立だけを続けた人たちは、全く損を被らなかったばかりが、2009年~2010年の復活時には予想以上の運用結果を得られたのです。


そのような多くの人の経験によって、積立投資というものが2010年頃から本格的に市民権を得たような気がしています。


残念ながら2011年~2012年は積立だろうが一括だろうが、あまりいい時期ではありませんでした。


もしかしたら、これから何かのきっかけで一括投資のビッグチャンスがやってくるのかもしれませんが、そんなことは誰にもわかりません。


今、LAで購入する住宅が10年後に2倍の値段になっているようなことはあり得なくはありません。


同様に、今ハワイで購入する住宅が、10年後に半額になっていないとも言えません。


いくらお金がある人でも、積み立てをやっていないひとはどのような一撃を食らうか分かりません。


10年以上の積み立てをやっているうえで、それ以上の余剰資金は何に投資しようが構いませんが、長期積立を軽んじる人の意見には絶対に従えません。


私だって、円建て元本保証で年10%の確定配当か利回りがでるような商品で詐欺でないものがあれば、やりたいと思います。


そんなものが存在しないから苦労しているのです。


長期積立を真っ向から否定する人たちの真意は一体どこにあるのでしょうか?


これから10年先、20年先のことなど誰にもわかりません。


だからこそ、積立てるしかないのです。


どうなるかわからないことのリスクに対応できる手立ては長期積立しかないのに、それを否定するということは、それに代わる確実な手段を持っているといことなのでしょうか?


それが、定期預金だと言われれば唖然としますが・・・。


一括投資の1200万円と5万円の20年積み立てでは、投資金額は同じです。


どちらの運用リスクが高いか?という質問に対する答えを明確にな答えを持っている人が果たして居るのでしょうか?


積立の利回り計算を、シミュレーションで年間平均利回りという手法で計算すること自体に限界があります。


年間平均利回りというのは20年間なら20年間やり続きえた人の結果であり、現実の世界では毎年の利回りはプラスだったりマイナスだったりいろいろです。


積立の強さというのは、シミュレーションの数字上想像できる以上のものを理解しなければなりません。


武器そのもののパワーではなく、戦術的な強さです。


その強さを理解できない人には、よほどの圧倒的資産力でもない限り、投資の世界で勝ちは無いように思われます。


そして、その積み立てという戦術を、どういう理由であれ、真っ向から否定する輩にもそのチャンスは無いでしょう。