いよいよトヨタからFRスポーツ車「トヨタ86」が発売になった・・・。
「ハチロク」と聞けば、もちろん、あの伝説のハチロク=AE86を思い浮かべない人はいないだろう。
漫画「頭文字D」の影響で90年代後半からに異常なまでの人気車となった「パンダトレノ」・・・実は「藤原とうふ店」のステッカー付きレプリカを見かけるくらい香港でも人気。
86(ハチロク)という名前のついたクルマが発売されるということは、それがどんな車だろうが、多くの人が胸を躍らせる話には違いないのです。
そもそもAE86(エーイーハチロク)とは、1983年に発売したカローラとスプリンターのスポーツモデルである4代目カローラレビンとスプリンタートレノの共通車両型式番号です。
この型式番号のカローラレビンとスプリンタートレノを俗にハチロクという呼称が付けられているのです。
そう、86(ハチロク)のルーツは「カローラ」と「スプリンター」なんです。
バブル真っ盛りの80年代後半に「青やん」という会社のツレが乗っていたのが赤黒ツートンの86レビンだったが、合コンの時にはいつも出動してくれるかわいいやつでした・・・。
当時はリトラクタブルのトレノよりもレビンの方が圧倒的にかっこいいと思っていましたが、漫画の影響とは恐ろしいもので、頭文字D以降はトレノブームになっちゃったんですね。
私の世代だと、頭文字Dと同じ作者の「バリバリ伝説」に影響され、バイクと言えばホンダのCB750だとかスズキのカタナだとかに憧れたものですから同じですね。
さて、鳴り物入りで発売された「トヨタ86」ですが、如何なものでしょうか?
詳細は以下トヨタのオフィシャル86サイトで見てください。
http://toyota.jp/86/index.html
FRスポーツということ以外、かつてのAE86を彷彿とさせる「何か」は感じません。
「復刻版的な位置づけで、デザインをAE86から踏襲することはしない」という方針は分かりますが、コンセプトがあまりにも希薄です。
はっきり言って開発者の魂を感じません。
おそらく、トヨタ社内では、「若者のクルマ離れ」に対して何かしなくては!という焦燥感があって今回の86プロジェクトに繋がったのだと思いますが、純粋に「スポーツカー」というコンセプトでスポーツカーを作って今の若者が乗りたいと思うのか?ということに対して認識が甘かったのではないか?と感じてしまいます。
どうせなら、安易と言われようともAE86のイメージを引きずったものにしてほしかったような気がします。
完全な「頭文字D」レプリカ限定車でもよかったと思います。
お気付きでないかたも居られるかもしれませんが、今回の「トヨタ86」は富士重工(スバル)との共同開発で、1か月前にスバルから発売されている「スバルBRZ」という車種がほぼ同型の兄弟車となっています。
スバルBRZ
これはトヨタなのかズバルなのか?
トヨタのHP上では以下の様にコンセプトが謳われていますが、その中の一部抜粋します。
「スポーツカーは、カルチャーです」
「スポーツカーとは本来、単なるハードを超えて、生きることの実感をより濃いものにする
官能的な「カルチャー」、上質な「ソサエティ」であるからだ。
ハチロク。トヨタが、そして日本の大人たちが、長いあいだ忘れていたこと。」
多分、今の若者たちにとって「スポーツカー」という言葉自体が死語になっていると思います。
我々の時代では、「峠を攻めるような行為」がカッコ良かったかもしれませんが、今の若者がそんな危ないことに興味を示すとは思えません。
それどころか、クルマは単に実用的な移動・運搬手段とみなされており、その用途ですら不要であると思っている若者が多いはずです。
「スポーツとして車を操る技術を向上させる」ということは、ストリートや峠でやるならばかなり危険な行為ですし、基本アウトローな行為でもあるし、ストイックな行為です。
そのような、何か、たいして生きていくために意味のないものに情熱を燃やすことは、若者の特権ではありますが、クルマを手足のように上手に操れることが、昔ほど魅力的な要素でなくなっていることは事実です。
そんな今の世の中で、「スポーツカー」ってのはいったいなんなんだ?ということをクルマのメーカーが真剣に考えなければならないと思います。
その車に乗ると、どのような具体的ないいことがあるのか?カッコいいのか?オンナにモテるのか?
バブル期でも「スペシャリティーカー」と呼ばれるホンダのプレリュードやトヨタのカリーナEDなど、今となってはあり得ない、訳のわからんコンセプトのクルマもありましたが、あれはあれでその時代のニーズにはマッチしていたのです。
Gが生まれて初めて買った車は、中古のプレリュード1800XXでした。
25年も前の話ですが、バイクにしか乗ったことのない自分にとって、クルマって最高!と思わせるだけの魅力はありました。
どうでしょう、就職試験で「ドリフト技術」などを取り入れてはいかがでしょうか?
就職の為に必要とあらば、練習するのでは?