ある友人の紹介で、ハンセン指数(Hang Seng Index)に投資するシステムを開発し、それを使って一日中ディーリングをやっている旺角の会社を訪問した。
モンコックのある雑居ビルの一室。
その男とさらにその友人のエンジニア(普段はパイロットらしい)は15年に渡って、そのシステムを開発しつづけながら、日々ディーリングを行ってきたそうだ。
エンジニアは普段旅客機のパイロットなのでそこには居ない。
15年経った今も続けているということは、それなりに食えているのだろうと考えられる。
少なくとも負けてはいない。
システムも3世代目になり、かなり完成度が高くなっているようだ。
最新のものでも自動売買の機能は付いておらず、基本的にはユーザーが一日中(昼間の取引時間内のみ)スクリーンにへばりついて、シグナルの指示に対して俊敏に売り買いを行わなければならない。
ハンセン指数のろうそく足分析が基本となっており、その動きに対して、最新のソフトは、取引総量を同時にモニターし、一定のロジックにしたがって、売り買いのシグナルが画面上に現れるのにしたがって取引をおこなうもの。
事務所では、主婦や引退した年寄が10人くらい、そのトレーニングを受けに来ていた。
トレーニングは基本的に6時間ワンセットで、7万円ほど。
その後、そのシステムを使用するには、毎月使用料が10万円程度かかる。
その投資ディーラーもシステムを構築しているエンジニアのパイロットも、このシステムを特にオープンにして金儲けをしようとは考えていない。
偏屈な一投資家なのだ。
香港にはこんな奴らがごろごろいるのだろう。
個人的にはシステムには興味があるが、シグナル発信型のソフトは自分でやるには時間を浪費しすぎる。
同じロジックで金の取引ができるものを作り、誰かに一日中歩合でやらしておけば面白いかも。