作家東野圭吾が描くミステリー小説の傑作「白夜行」と「幻夜」を読みました。
ちなみに、「白夜行」は堀北真希の主演で映画化されており、「幻夜」のほうは深田恭子でWOWOWにてドラマ化されています。
この2つの作品は姉妹作という位置づけになっており、「白夜行」→「幻夜」の順番でまず小説を読まれることをお勧めします。
映画化された「白夜行」は機内で見ましたが、なかなかよくできていたと思います。
堀北真希のキャスティングには異論のある方も多いようですが、案外うまく演じていたと思います。
この2つの作品は、「ノワール」といわれるカテゴリーの小説だそうで、単なるミステリー小説とは異なるテイストのものです。
「ノワール」とは「暗黒」を意味し、ノワール小説というのは、人間の心の深い闇を描いているひたすらに、そして救いようのないような暗いストーリーです。
映画では、松たかこ主演で、今年日本アカデミー賞を受賞した、湊かなえのデビュー作「告白」もひたすら暗い話だったが、東野圭吾が描くノワールの世界はもっと深い闇を感じさせる。
Gは「白夜行」と「幻夜」を単によくできた人間の本質や心の闇を取り込んだミステリー小説というふうに見ていません。
これらの作品において、主人公たちが繰り広げる行動は、確かに人間の心の闇に迫っており、一見あり得ない所詮小説の世界と思えますが、我々が現実に生きている世界においても、彼らと同じような状況はあり得るし、そういうことが実際にあってもおかしくないように感じてしまいます。
とくに、「幻夜」の舞台が阪神淡路大震災から始まることから、今回の震災にイメージがダブります。
犯罪ミステリー小説であることも事実ですが、その犯罪性の部分はさておき、人間が生きていくということは、間違いなく「サバイバル」であり、この主人公が本能的に持って行使する生存能力というものは、現実世界においても、必ずしも否定できるものではないように思われる。
いろいろな感じ方があるでしょうが、読んでみる価値はあると思います。
これからの人生をどう生きていくのかを、考え直さなければならないかも?ですよ。