121ファンドという詐欺ファンドは非常に良くできていました。
純真な人がほぼ疑いようのない完璧に近いプラットフォームを実現していたように思います。
結果として、首謀者は200億のうち、いったいいくらのカネを持ち逃げたのだろう?
本物の首謀者は誰だったんだろう?
香港を経由してシンガポールかスイスにカネは流れたに違いない。
誰もその流れをトレースすることはできないし、それを取り戻すこともできないだろう。
121ファンドはここ数年発生したいくつかの投資ネタをうまく組み合わせて作り上げられたハイブリッド詐欺商品と言ってよいでしょう。
海外ファンド
配当型
HSBC香港口座
FX自動売買システム
マン社のシステム
といったネタと、マルチレベルの紹介手数料構造が組み合わさったある意味最強の商品だったと言えます。
ログイン画面上では最新の運用成績が確認できるシステムも持っていました。
それを見せられて疑う人もきっと少なかったでしょう。
121ファンドの根幹をなしていたのは、氷山の一角ではありますが、昨年何件か捕まった、毎月配当型のFX自動売買システムを基軸とする私募債と同様なものですが、海外(香港)の口座で集金をする点が新しかった。
日本人をターゲットとしたインチキFXオフショアファンドを作り上げていたのです。
ターゲットが香港人であったなら、絶対にあり得ないパターンです。
2年くらい前から、121ファンドというマン社のシステムと同じものを使っている香港の会社を知らないか?という問い合わせがいくつかあったが、香港人に聞いても誰も知らなかった。
そもそもFXの自動売買システムはネットワークビジネスで販売される商材であったようだが、その業者の一部が香港でのオフショア投資のスキームを取りこんで、マン島フレンズプロビデント・インターナショナルの商品をネットワークビジネス化し、HSBC口座開設などと抱き合わせて行ったなかで、最終的には121ファンドのような化け物も生み出されてしまったように思います。
こういったことを、マーケティングとは呼ばず、「ノウハウの悪用」もしくは「ダークサイドに身を投じる」と我々は言います。
残念ながら、詐欺を思いつく人たちは頭の良い人たちのようです。
詐欺師より賢くならなければ、常に騙されるリスクは付きまとうように思われます。