The Riverに涙 Bone to Runに歓喜 “カセットテープ・ダイアリーズ” | 飲んで、呑んで、食べて、観て、猫と戯れる日々…

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“BLINDED BY THE LIGHT ”


それはもう、うん十年も前。
高校時代にイキって洋楽ばっかり聴いていたあの頃に、派手な星条旗柄の前で赤いキャップをケツポケにねじ込み、後ろ姿で写った“ザ ・ボス”のジャケットを見て、ただただ「カッけ〜〜…」と思って聴いたあのしゃがれた声。
「俺はアメリカに生まれた♬」と繰り返す全米No. 1ヒットを聴いて衝撃を受けた。
ツレの親父がスポンサーの会社の偉いさんで、コネという裏技を使いまくって行った1985年4月22日のLIVE。
大阪城ホールアリーナ前から7列目でスピーカーの目の前で、それから3日間くらいは難聴になったけれど、体育館の校長先生くらいの距離で見たブルースは、それはそれはカッコよくて痺れた。

オイラの話はこの辺りでイイとして、コロナ前の映画館で見たこの映画の予告は完全なロックオン作品となり、先々週ようやく公開されて今日、やっと時間が取れたんだ。



舞台はまさかのアメリカじゃなくてイギリス。
パキスタンからの移民家族の長男、音楽と詩と物書きが好きなジャベドは周りから露骨に差別されることもありながらも、厳格なムスリムの親父(コイツがクソ)のもとフラストレーションを抱えながら日々を送っている。
ある日、学校でふと渡されたブルース スプリングスティーンのカセットテープを聞いた彼の中で何かが弾けて、周りを巻き込みながら成長していくって話。

簡単に言うと青春ドラマなんだけど、主人公よりもその親父世代がブルース世代なんだよね。
そこがまたミソ。
友達はシンセミュージックに夢中だし、主人公の親父はブルースをユダヤ人だと思ってる始末。

さて、映画の感想はどれだけブルース スプリングスティーンに思い入れがあるかによって変わってくると思うので、万人受けする作品じゃない。
というかオイラは逆にブルースの曲を知らずに観た感想は書けない(笑)

CDが擦り切れるほど聞いたあの曲のあの歌詞。
知ってるはずなのに、映画の中の意味あるシーンと合わさるとそれだけで心が揺さぶられる。
あの頃ただ聴いて訳詞を読んでいた詩が、目の前で色を帯びてくる感覚はすごかったね。

ザ  リバーの裏にある妹一家を襲った不幸の話。
ボーン イン ザ  USAの本当の意味。
ボーン トウ ランに秘められた労働階級の心の声。
ザ  プロミストランドで示された希望と未来。

あかん、思い出しても泣きそうになる…

サンダー ロードを口ずさみながら初めて彼女に告白したミュージカル調のシーンなんか最高やん。


てなわけで興味の無い人には???なのかも…

しばらくの間は訳詞を噛みしめながら、懐かしくブルースの曲を聴くことになるだろう。

実際これ書いてる今のBGMは…(笑)