沈黙のパレード | つましくても、ささやかな幸せ

つましくても、ささやかな幸せ

地位もお金も能力も無くても得られる、日々のささやかな幸せを記します。
内容は、映画・演劇・美術鑑賞&読書感想文&旅行記&趣味の手品&日々の出来事などです。

 

 殺人犯が黙秘を続け、無罪になったら被害者家族はどれほど悔しくて悲しい思いに打ちひしがれるだろうか。人が人を裁く裁判の難しさをも訴えかける小説だった。ただ、納得がいかない判決であっても、復讐で容疑者を殺すというのも、司法の面ではいかがなものかと思う。
 私は2つの殺人事件の犯人はどちらも蓮沼寛一で、蓮沼殺害は復讐劇だと思っていた。ところが最後の思わぬ展開に、度肝を抜かれた。並木沙織を殺した犯人が蓮沼ではなかったことにも・・・。
 ガリレオ先生こと湯川学の推理力は本当に冴えていた。また、湯川は沙織の両親が経営する食堂にも出入りし、常連さんとふれあうなど気さくな面もあり、人間の洞察力にも優れていると感服した。