ダリ展 | つましくても、ささやかな幸せ

つましくても、ささやかな幸せ

地位もお金も能力も無くても得られる、日々のささやかな幸せを記します。
内容は、映画・演劇・美術鑑賞&読書感想文&旅行記&趣味の手品&日々の出来事などです。

 
 理解に苦しむ作品が多かったが、ある種のポリシ-をもって描いた強烈な作品だという印象を受けた。またダリ氏は、美術以外にもフロイトの夢分析や物理学、原子爆弾などからも多くの造詣を受け、それが彼の絵画に深い影響を与えていた。絵画も彼の人生も、破天荒のそのものだった。彼の絵画には、妻ガラへの深い愛情も滲み出ていた。印象深かった作品を記す。


 「奇妙なものたち」
 赤と黒の対比が印象的だ。同じ形が反復して描かれている手法が特徴的だ。エロチックで幻想的な雰囲気を醸し出している。
 「素早く動いている静物」
 他の画家の静物画と違い、動きが描かれている。宙に浮くビンやコップなど、奇想天外だ。物理学の影響が表れている。
 「ラファエロの聖母の最高速度」
 一見抽象画のように見えるが、聖母の微笑みが浮かび上がって来る。動的なエネルギーも感じられる。
 「ウラニウムと原子によえる憂鬱な牧歌」
 広島と長崎に原爆が投下されたことを知ったダリの大きな衝撃が感じられる。恐怖と憂鬱な世界が広がっている。
 「ポルト・リガトの聖母」
 1番安定感があり、私の1番好きな作品だ。妻ガラをモデルにした聖母の深い祈りと、天国を彷彿させる神秘的な世界への誘いが感じられる。