「2022年3月以降、急激に円安が進みましたが、私は、ここまで円安が起こらなかったことに対して、むしろ驚いているほどです。私はもっと早く円安が起こると予測していました。なぜなら、日本は何十年にもわたって、巨額な借金を積み重ねてきたからです。にもかかわらず、今になってようやく円安になった理由は、日本人の国民性が関係していると思っています」
「結局、これまで日本国民は、政府が(ドルなどの他国の通貨ではなく)『日本円を買いなさい(持っていなさい)』と言えば『はい、そうします』と従ってきたわけです。この従順さが、円安になるのを遅らせた原因の1つだと考えています。
今や、円の価値は約50年ぶりの低水準になっています。では、50年前の日本はどんな国だったでしょうか。
ロジャーズ氏は言います。「今とはまったく違う国でした。出生率も現在より高かったですし、国としてはもっともっと発展していました。今は借金が大きく増えたうえに、出生率が減っています。そう考えると、さらに円安になるのは明らかではないでしょうか。40~50年前の1970~80年には、円の相場は1ドル=175~200円でした。同じ水準まで円安が進むことは大いにありえます。今は当時よりも人口動態が悪く老齢化も進み、借金も多いので、今回は50年前よりさらに円安に動く可能性も十分あります」
ロジャーズ氏は、歴史的に異常な低金利を継続させているのは日本のファンダメンタルズ(基礎的条件)が非常に悪いからで、円高になる要因は今のところほとんど見当たらないと言います。
一時的には円高になる可能性がないわけではありません。しかし、例えば11月5日に行われるアメリカの大統領選挙で何らかのサプライズが起きて、新たに就任する大統領がドル安を引き起こすような政策でも取らない限り、難しいと言います。しかも、もしあってもそれはあくまで一時的な反動であって、日本や世界経済を根本的によくするわけではないと言います。
日本銀行は4月にマイナス金利の解除に踏み切りましたが、仮に世界の標準的な金利が3%前後だとしたら、日本では今もなお歴史的に異常な低金利政策が続いています。ロジャーズ氏は、少子化と増大し続ける債務問題という問題の根っこを解決させないまま先送りし続けていると、いずれ市場が主導権を取り、制裁を与えると言います。
確かに、今は政府には豊富な外貨準備高があります。しかし、為替介入は円安の速度を緩やかにさせる時間稼ぎの効果くらいしかなく、「投げる球」(原資)が少なくなれば、その効果も限定されます。
ロジャーズ氏は、為替市場はわれわれの暮らしに何が起きているのかを示すわかりやすい指標の1つとして非常に価値があると言います。また、お金をたくさん刷れば、必ずインフレになって、通貨の価値が下がると何度も強調します。実際に2023年の日本のインフレ率は3.2%台になっており、不動産や株高の恩恵を受けない国民の生活は厳しさを増しています。
>「結局、これまで日本国民は、政府が(ドルなどの他国の通貨ではなく)『日本円を買いなさい(持っていなさい)』と言えば『はい、そうします』と従ってきたわけです。この従順さが、円安になるのを遅らせた原因の1つだと考えています。
グローバルインフレになるまでは円はしぶとかったですね
自分は糞アベノミクスで長期金利が下がり続ける中で、最初は日本国債をショートしていた投機筋も一旦やめて
チャンスを待とうとした
日銀が高値が大量に国債を買ってしまった後に、満を持して国債ショートを仕掛けてきたっていうのが
結構大きいんじゃないかと思っています
「インフレなのに、なんで必死に指値オペやってんだ」っていう話になって
「日本は財政問題を抱えているのだろう」と多くの投機筋が気づいてしまいますからね