チロルでの日々 2 | 小林沙羅オフィシャルブログ「小林沙羅のきまぐれ日記」Powered by Ameba

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ソプラノ歌手、小林沙羅のブログです。
出演する演奏会についての日記を中心に、忘れてしまいたくない大切な日々を綴っていきたいと思います。

チロルでのフレーニ氏の講習会は、かなり厳しいものでした。

彼女の求める声の道筋ははっきりしていて、

「喉に力を入れない」「響きを上に」「前へ前へ」ということなのですが、

この簡単な事がとても難しい。


みんな同じ事を言われます。何度も何度も。

次に同じ間違いをしたら殺すわよ、とか、バカとかアホとか言われつつ、

一週間寝ている時も起きている時も声の事ばかり考えていました。

夢にも毎晩のようにフレーニが現れます。


数日すると、夜眠れない人や、体調が悪くなる人も出て来て、

これ以上いても意味がないと言って1人帰ってしまい、

もともといた聴講生は全員いなくなり、一人体調の問題でリタイアして、

残ったのは全部で7人。

午前に2回、午後に2回ずつのレッスンは精神的にも体力的にも厳しいものでした。


1週間を励まし合いながら乗り切り、

講習生の間にはかなりの連帯感が生まれました。

これが最終日の後にやった打ち上げ!


小林沙羅のきまぐれ日記-チロル

(参加できなかったメンバーもいるので上の写真は全員ではないです。)

メンバーは、日本、韓国、ブルガリア、パナマ、アルゼンチン、スロベニアの人達で、

英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語のミックスでしゃべっていました。


今でもフレーニ氏の

「No!! Niente gola, avanti,su!!」という声が聞こえて来ます。

刺激的な経験でした。


その次の日は近くで一番高い山、Hohe Salve にロープウェーで登りました。

標高1800mを一気に上がり、少し頭がくらくらしました。絶景!


小林沙羅のきまぐれ日記-Hohe Salve  小林沙羅のきまぐれ日記-チロル

そしてこの次の日、蓄積された疲労がついに表にあらわれて、

2日間、ぱったりと倒れました。