”トンニャン過去編#67ファイヤーバード(原題「ファイヤーバード」)” | 人はなにかしら欠けている いびつで歪んでいるから人間だからこそ私は私マイウェイ runas-fountain

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※この物語は「阿修羅王」編・「アスタロト公爵」編の本編であり、さらに昔1970年代に描いたものを、2006年頃に記録のためにPCに打ち込んでデータ化したものです。
話の位置は「フェニックスの巻」の次。「ファイヤーバードの巻」のような意です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです

 

 

修行を終えた者から順に巣立つが、コーラは劣等生で、なかなか巣立てなかった。そんな時、人間界への伝言の仕事を言いつけられたが、記憶を失ってしまった。四年前、トム・クワイエットと知り合った時の事だ。

魔界に戻ったコーラは当然罰を与えられた。それが、闇への放流だった。ところが、そこでブラックエンジェルと再会してしまう。コーラは、ブラックエンジェルと共に、夜になると魔界を荒らしまわった。

魔王もそれを放置できず、また連れ戻された。だが、それも長く続かず、飛び出して人間界に脱走し、チェリー、トンニャンと知り合う事になったのだ。

その後、ルシファーに連れ戻されるが、再び脱走。魔女裁判にかけられ、ルシファーに愛される事になった。
あれから一年・・・。
 
「じゃあ、ずっと付き合いがあるのね、ブラックエンジェルとは」
コーラがうなずく。
「知っている?ブラックエンジェルが、かつてエンジェルス(天使)だった事を」
「知ってるわ。本人から聞いた」
 
 
「コーラ、せっかく人間界に来たんだから、行く所はひとつじゃない?」
「でも、チェリーがいないし・・・」
「大丈夫。もうすぐチェリーも現れるわよ」
 
***
 
冬休み、ルーシー・エイビスは恋人のフィリップス・セザールと会っていた。そこには、ボビー、ビリーのグレープ兄弟。ルーシーの双子の姉、エレン・ピース、そしてエミリー・パストもいた。
ビリーはチェリーに失恋した後、エレンと話す機会があり、いつの間にか付き合うようになっていた。ビリーは、エミリーとともにシックスフォームの一年生、ボビーはシックスフォームの二年生になり、大学受験も間近に迫っていた。
六人の話題は、いなくなって一年近くになるチェリー、コーラ、トンニャンの事だった。
 **
その頃アリス・ジョージャスとピエール・オーギュスタンも、同じ事を考えていた。それは、トム・クワイエット、トーニ・バロン、アン・バスカント、ネッド・グラウンドも同じだった。

****
  
「チェリー、また見てるね」
円いクリスタルから人間界を見ているチェリーに、クビドが声をかけた。
「気にかかるんだね、人間界が」
チェリーに近づくと、クビドはチェリーの手を握った。
「お行きよ、チェリー。そして、全てを片付けておいで」
 
 
****
 
翌日、セカンダリースクールの六年生に、三人の転入生があった。
「三たびの出現ね。チェリー・エンジェル、コーラ・デビル、トンニャン・フェニックス。おもしろくなってきたわ。」
アリスは、思わずほくそ笑んだ。

続く
ありがとうございましたm(__)m

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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