わたしは、2回出産をしました。
わたし自身の産後のことを書きます。
27歳のときに長女を出産しました。
妊娠中から手首の痛みが悪化し、産後1か月半で腱鞘炎の手術を受けました。
右手は術後1ヶ月間動かすことができず、日常生活はすべて左手のみに。
左手だけのオムツ替え、お風呂も家事もすべて左手だけ。
口を使ったり足を使って、必死に乗り切っていました。
さらには目が不調になりました。
常に目が痛くてコンタクトが入れられなくなりました。
テレビがついているだけで眩しくてチカチカ。
夜暗くなると目を開けているだけでもつらい…。
「産後は目にくるよ」と言う先人の教え通りの不調でした。
そして、30歳で二人目を出産。
出産直前に夫の海外赴任が決まり、
どこで産めるのか、どこに住むのか、
長女の保育園はどうしたらいいのか…、
心配事が尽きない日々を過ごしました。
結局、妊娠後期ではビザが下りずに夫だけ単身渡欧することに。
住んでいた大阪の社宅には住めなくなり、妊娠34週の時に名古屋の実家近くに母子で転居しました。
心身にストレスがかかったようで、次女の出産後はさらに不調でした。
耳が痛い、目が痛い、体重が10㎏近く減る。
体中が乾燥したかと思うと異常に汗が出る…。
「自律神経失調症」「肥立ちが悪い」「神経損傷」…いろんなことを言われたけれど診断名は不明のまま。
腰が痛い、頭が痛い、目がしょぼしょぼする、涙があふれて止まらない…。
常にだるくとめまいが続き、自分が自分でなくなったような不安な日々を過ごしました。
夫は異国の単身赴任のため、育児のシェアは不可能な100%ワンオペ育児。
8時間の時差もあり、状況を伝える時間すら煩わしかった。
20年以上前のことですが、
当時の自分に「よく頑張っているね」と抱きしめたくなります。
当時に私が感じた、産後の不安や体調不良や孤独感は、今でも思い出すと苦しくなります。
わたしのように出産前後に転居を繰り返す家族はレアですが、
あの経験をしたからこそ、産後のママの気持ちに敏感になりました。
その思いが、さら助産院を開業した理由のひとつです。
「いのちを生み出す」って、とってもすごいことです。
体にも心にも大変動が起こり、ものすごいエネルギーを使います。
ときどき、
「退院したんだから、もう元気だよね?」と勘違いしているパパがいます。
「赤ちゃんはかわいいけれど、ママには興味がない」と言ってしまうパパもいます。
どうかパパには、いのちを産み出したばかりのママを大事に守ってほしい。
まるで、家の中にお姫様がいるかのように。
そしてママ自身も、どうかまわりを頼ってほしい。
自分を甘やかしてほしい。
すごいことを成し遂げたんだ!と思ってほしい。
大事にしすぎるくらい大事にしてもまだ足りない。
産後って、そんな時期なんだと思います。
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直井亜紀の書籍です。